たぶん系列みんな二つ返事でOKしそう。
アグネスタキオン、というウマ娘がいる。
いうなれば天才であり、またそれと同じくらいマッドサイエンティストである彼女は、その天才性を周りに認められながらもあまり関わりにならない方がいいとされるウマ娘であった。
とはいえ、
(俺と、話したいなんて)
遠に引退した身である俺-シルバーチャンプと話がしたいなんて珍しいこともあるもんだ。
「やあ、待たせてしまったかな」
「いや、こちらこそ約束していた時間を唐突に変えてしまってすまない。キミにもやることがあるだろうに」
「なに、気にすることはないさ。それよりも……キミは随分と」
「……?」
アグネスタキオンの言う『随分』というのは俺の見た目のことだろうか。
確かに今の俺の姿は昔の俺とは違うからなぁ……。
そんなことを考えていると彼女が慌てたように告げる。
「いや、すまない。別にバカにしているわけではないんだ」
そう言いながらアグネスタキオンは右往左往と目を逸らす。
そうして、…少しの間をおいて話が始まった。
その話は身構えていたよりもずっと、単純明快で───。
「分かった。力になろう」
「え、?」
「
「…っ!?」
端的に返答を告げると、彼女は『まさか』という顔をした。
たしかに彼女の話は並大抵にいえば、いずれ未来の誰かのためになるようなものであったが。
「フツーはな、当事者でもなけりゃそんなんに労力割かねぇんだよ人間ってやつは」
「そ、それは……」
「だが、アンタのその目は本気だ。だから俺も力を貸す」
そう言うと彼女は呆然とした顔のまま固まってしまった。
……いやまぁ、そりゃそうか。
こんな話急にされても困るわな。
いやもうちょっとクッション入れてから話した方がよかったか…?と考えつつ、ようやく復活したらしい彼女に口を開く。
「俺も慢性的な脚部不安を持ってる。…生まれつき、な」
「な!?」
「本気で走れねぇんだよ、俺の血族。母さんは体大きすぎて。それ以外もなぁ…」
生まれ持ったスピードと体の強度が噛み合わない。
だからこそ、俺も含め、親族の体は故障と隣り合わせだ。
「だからまぁ、アンタのその目は信用できるって思った。……それだけだ」
「……」
「あー、別に同情とかじゃねぇから!これでも結構楽しくやってたしなぁ……」
「……そうか」
そこで会話は途切れた。
そうしてしばらく沈黙が続いて。
(やべえ、なんか空気が重い)
そんなことを考え始めた頃だった。
彼女が口を開いたのは。
「キミは……いや、シルバーチャンプさん」
「ん」
「その……。……いや」
「?
彼女は何かを言いかけたが、結局それは言葉にならなかったようだ。
そうして俺は彼女の言葉を待ってみたものの、結局彼女は何も言わなかった。
(まぁいいさ)
俺にできる限り、俺は彼女に協力するだけだ。
脚部不安とそれを鑑みてもなお魅力的な速さの持ち主な系列と…な話。
前書きにも書いた通り、みんな事情を話せば協力してくれるので…はい。