参る話。
───やぁ。
こんなところで何してるかって?
そりゃあもちろん…。
男が笑う。
朗らかに、穏やかに。
決して
それはまるで、親しい友人に声をかけるような親しげな声音だった。
そして男は言う。
実に晴れやかな笑顔と共に。
まるで、とてもいいことがあったかのように嬉しそうに──。
いや、しんじつ男にとってもその相手にとっても件の報せは"いいこと"なのだ。
僕の孫であり、キミの娘が勝ったぜ。
鮮やかにダートで大差だと。
こりゃあキミの血かなぁ?
男は、静かに語りかける。
目の前の墓石に向かって。
そうして語りかけながら男は思うのだ。
というかそもそも、あの
ああ、でも……そんなに似てたなら。
せめて生きてさえいれば、あの
もっと何か違っていたのかもなぁ……。
だがまぁ、それでもキミは。
きっとこう言うんだろうねぇ。
クツクツと、男が笑う。
愉快そうに、それでいてもの悲しく。
──まったく、先にいかれるとは思わなかった。
だって6歳も差があるんだぜ?
フツーは僕の方が先だろうがよ。
ホント……まいったな、これは。
男は語る。
それはそれは楽しそうに。
心底おかしそうに、可笑しそうに笑い続ける。
笑い続けるしかない、とも言うが。
そしてひとしきり笑った後、男は最後にポツリと言った。
そんじゃまたね。
…そう遠くないうちに、僕もいくから。
*
「…とか何だとか言ってたクセしてよォ」
「……ハイ」
「お前、何年待たせた?」
「ウッス」
ところ変わって。
ふたりの男が話し合っている。
ひとりは黒髪の男。
もうひとりは、白髪の男。
「オメーのこと訪ねに来たヤツらに何回ココぶっ壊されたと思ってんだアァン!?」
「すいませんっした!!」
白髪の男が土下座する。
見事なまでのジャンピング・DO☆GE☆ZAであった。
「し、仕方ないだろ!僕もこんなにかかるとは思ってなかったんだ!!…あ、」
「ほぉ…?」
「あわ、あわわわわわ…!」
言い訳をするも、白髪の男はすでに土下座の体勢に入っている。
見事なまでに手遅れである。
そしてそのまましばらく黒髪の男は説教を受け続けたのだが、ふとその動きを止める。
どうやら話が終わったらしい。
白髪の男はやっと安堵のため息をつく。が、
「ほら、お出ましみてぇだぞ」
「え?なにが?」
「…お前のことを、待っていたヤツら」
「へ?」
瞬間、轟音と共にバキバキバキッ!と異音が…。
「げっ…。またドア壊されたんだが…????」
「えっ、ちょっ、助けて!!」
「弁償代取れっかな…」
「助けてってば、本気で、
「……へいへい、冗談だっての」
そして、押し合い圧し合いの奪い合いになったとか、ならなかったとか…?