そんなお前を。
「素直になりゃあいいのに」
慈しむように視線を向ける相手はぼんやりと、死んだ目でサンデーサイレンスを見上げていた。
必死に必死に、人間の面を被り続けるソイツは理性がちゃんとしているのはいいことだが、それで自分を殺し続けて壊れ始めちゃ意味ないだろうに。
「可笑しくなってしまうことをどうしてそんなに厭う?」
頬を撫でればビクリと震えられた。
「望みを言ってみろ」
お前が欲しいと言うのなら、与えてやれる。
その程度の力はある。
「……しにたくない」
「そうか」
「いきていたい」
「そうか」
「でも、もう、ぼくは……」
ソイツは、自分の顔に手をやった。
そしてそのまま……それを、引き千切った。
「っ!」
サンデーサイレンスは思わず息を飲むが、それはソイツの髪がちぎれたからではない。
よっぽどが無ければ解かないはずの包帯を彼があまりにも乱雑に解いたから。
「どうすればいい?こんな僕が生きていいわけないでしょう?あの子たちを愛そうとしてたけど、もう、もう……」
ぐるぐると渦巻いた目。
混乱と困惑と狂気と期待が混じり合う。
「もう……、僕は……っ!」
「落ち着け」
サンデーサイレンスはその頭を抱き寄せた。
そして、自分の胸へと押し付ける。
その背中を優しく叩く。
それはまるで赤子を寝かしつけるような、優しい手つきだった。
「お前はまだ大丈夫だろう?」
あやす様に、言う。
「でも……」
「大丈夫さ。全部俺が何とかする」
「……でも……」
「大丈夫だ。俺がお前を守るから」
だから安心しろよと告げる。
「……本当に?」
「ああ、本当だとも。俺は約束は破らない主義なんだ」
だから安心して身を任せろと言う。
「……うん」
「良い子だ」
そして、そのまま俺たちは眠りについたのだった。
*
「おはよう」
朝起きて、まず最初に目に入った光景に僕は思わず固まった。
だって、僕のすぐ側に半裸のサンデーサイレンスがいたのだから。
しかもその彼の腕の中には僕がいて。
「な……な……」
なんで?どうして?何があったの??
「どうかしたか?」
彼はとても嬉しそうな笑顔で問いかけてきた。
「あの……僕たち何したの……?」
恐る恐る尋ねる。
「何もしていないぞ?」
いやいやいやいや、明らかに何かがあっただろう?!と心の中で絶叫する僕。
すると、僕の声が聞こえたわけではないのだろうがサンデーサイレンスはニヤリと笑うといきなり抱きついてきた。
そしてそのまま押し倒すような体勢になる。
僕は慌てて離れようとするが何故か体に力が入らない。
まるで金縛りにあったかのように動けないのだ。
そんな僕を見てサンデーサイレンスは笑うばかりである。
「大丈夫。大丈夫だよ」
「何がァ!?」
俺だけのお前。