さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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でも自身が初恋だとは微塵も思っていない。



自慢の我が子と思ってる

クロスグレイは世界を席巻した。

初めは日本でデビューしたが、自身を買ってくれたオーナーの意向もあって世界津々浦々を遠征してはその地でひとつはG1を獲って引退した。

…いま思い出しても英ダービーを獲った時のオーナーの顔は忘れられない。

んで、オレもオレでレース直後のインタビューで『感想は』と問われて……「まだまだ分捕ります」と答えたあたり、若かったよな〜。

遠征地によっては風当りが強かったこともあって一悶着あったけども、当の本人が気にしてないし、楽しそうにしているなら周囲はそれ以上口を挟むようなことは出来なかったらしく、G1では無敗のまま押し通した末に引退レースでも圧勝して終えた時には世界中が祝福してくれた。

……まぁ凱旋門賞にだけは何の因果か、何回挑もうとしても何やかんやあって出られなかったわけだが。

それはそうと閑話休題。

 

「まさかなぁ」

 

某女王さまがオーナーをつとめるとこの牝バに求婚されたのも驚きだが、その間に生まれたガキがかつて自分に初勝利を授けてくれたトレーナーの指導のもと───英国無敗三冠を獲るとは(なおオーナーは母親と同じく某女王さまである)。

しかもあのガキの世代がオレの初年度であるからして、

 

「仕事増えそ〜」

 

ちょっとゲンナリとする。

こんなんじゃオトンにも会えない。

 

「オレはオトンが一番好みやのに〜!!」

 

オトンがシャトルで来れる規模の種牡バやったらまだ会う機会もあったんやろうけど。

あの人普通にリーディング寄りのええ成績した種牡バやからなぁ…。

 

「ガキが活躍してくれるんは嬉しいけど……はぁ」

 

なお、この数年後このガキの妹(もちろんオレが父親)が某女王さまオーナーで某女王さまの名がついた我が祖国のG1レースを勝つのはまた別の話。

 

 

「…頑張ってるみたいです」

「お前よりバケモンじゃねぇか」

「お相手さんの素質も良かったんでしょう。…あ、いやあの人たちを悪く言ってるわけじゃ」

「分かってらァ」

 

ニュースで流れてきた映像に感嘆の息を吐けば、うげっという顔をされた。

「ウチの国じゃなくて良かったな」とはいうがこの調子ならコッチに連れてこられそうな気もするけれど。

 

「我が子ながらすごいです」

「おめーにそっくりだな。…目つきは全然違うが」

「それは母方似ですかね。タマモクロスさんに似てるらしいです」

 

カラカラと笑うとまた渋い顔をされた。

そこまで変なこと言ったつもりはないんだけどなぁ。

 

「できれば会いに行きたいですね。ここ数年めっきり会ってないですから」





ウマ娘でも元性別でもステゴ先輩より小さいシルバーチャンプ。
見た目も中性的にしてるのもあって元性別ではロリ扱いにもショタ扱いにもされてそう。
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