あの日、吹き抜けた烈風を今でも覚えている。
覚えているから、アナタに執着する。
「あ゛?なんだァ?」
はじめは、暇さえあればトレーニングをサボるアナタに幻滅しました。
しかし、とある日の模擬レースで、
「はああああああっっ!!」
ハナ差、アタシを差し切ったアナタ。
周りはアナタのその勝利をマグレだと言いましたがアタシにとってはやっぱりアナタはアナタのままなのだと!
そう分かって、歓喜しました。
「見つけましたシルバーチャンプ!
ここで会ったが100年目デース!!」
「はァ!?」
だからその日からアタシはアナタを見つけるたびに併走してくれと頼みました。
けれど、
「なんで俺に…」
「なァ、エルコンドルパサー。
俺みたいなヤツよりさ、ほら、グラスワンダーとか、そういう奴らに頼めよ」
アナタは頑なでした。
なんで自分なんか、とずっとずっとずっと。
そのたびにアタシは、アナタは凄いヒトなのだと言い続けました。が、
「…チャンプ?」
「……っそんなにヒトをからかって楽しいかよ!
世界だって目指せるヤツにすごいすごいって言われて、舞い上がって、それで惨めに地に伏せるしかないヤツをからかって、楽しいかよ!?」
ギッ、とアナタがアタシを睨みつけます。
肩で息をして、呼吸も荒い。
手負いの獣のような彼女にアタシは「そんなこと思っていない」「本当にアナタはすごいヒトなんだ」と伝えますが、
「ンなの信じられっか!」
「…え?」
「ずっとマスクしてるヤツに、ずっと
「……マスクを脱げばいいんですか?」
「……っ、は?」
「マスクを脱いで、伝えればアナタは信じてくれるんデスか?」
「お、おい…、エルコンドルっ!?」
「違うよ、パサーだ」
「っ!?」
床にアナタを、いや…お前を押し倒す。
うごうごと逃げようとするが逃がすわけなんてないだろう?
「僕はパサーだよ。なぁ、そう呼べよシルバーチャンプ」
「は…、お前、だれ…」
「誰もなにも…、僕はエルコンドルパサー。今までもこれからも、それに変わりはないさ」
「ち、違う、俺の知るお前は…」
「僕のコト、見てない癖にそんなこと言うの?」
「…っ、」
「気づいてないとでも思ってた?」
事実を突きつけられたキミが言葉を詰まらせる。
あぁ、嗚呼そうだよね、キミってヤツはずっとそう。
「いつもいつもいつもいつも…、キミはシルバーバレット、シルバーバレットって!」
「え、える…」
「キミの傍にいるのは僕なのに!エルコンドルパサーなのに!」
ギリ、と歯噛みするとキミがひゅっと息を飲んだ。
…あぁ、やっと見てくれた?
「…うん。そう、それでいいんだよチャンプ」
「…は、はっ、はぁっ、はぁっ」
「僕だけを、見て?」
ボロボロと泣き始めたキミの涙を指で拭ってやる。
…キミの泣き顔、"あの時"から嫌いなんだけどなぁ。
でも、
「…僕が『最強』になるためにはキミが必要なんだ」
「……ひっく、ぐすっ、」
「だから、何があってもキミを逃しはしないよ」
そして、最後には、
「…キミを喰ったらどんな味がするんだろうね?」
捕まえてあげるから、覚悟してて?
(周りを)狂(わせる)血の一族定期。
自分のストでは普通に普通なのに甥っ子の育成ではこの湿度で出てくる怪鳥さんェ…。
怪鳥:
史実の記憶有り。
あの日、自分の横を突き抜けていったシルバーチャンプに激重感情。
しかしシルバーチャンプは"とある馬"しか見てないのでマスクの下で基本イラついてる。
グラスも倒したい相手ではあるが一番倒したい相手はシルバーチャンプな状態。
今度こそ本気のキミを捕まえる。そして今度こそ、
だから、
『覚悟しててね?シルバーチャンプ』
ちなみに本気の甥っ子を知るのは自分だけ…みたいな独占欲を持っている模様。
甥っ子:
史実の記憶なし。史実では凱旋門賞の直後に屈腱炎を発症し引退。
エルコンドルパサーのことをこんな自分に好き好んで付きまとってくる物好きと思っていた。が今回のことで少し()怖がるようになる。
思いっきしパンドラの箱を開けてしまった。
この日からたびたびエルがマスクをキャストオフして絡んでくるようになるので「ひっ…!」と怯えるようになる。
可哀想…ではあるが元はと言えば自業自得なので…。
実のところグラスワンダーにも重い感情抱かれてる(矢印として、グラス→(いっぱい)→エル→(いっぱいいっぱいいっぱい)→チャンプ→(いっぱいっぱい)→バレットみたいな感じだから)。