さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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何故なら。



他人の気がしない

唯一心を許せる友人ができた。

その友人とは初めて会った時から他人の気がせず、また似たような育ちだったために気がつけばまるで一心同体みたいに一緒に過ごしていた。

 

「なぁ、オウカン」

「なぁに、チャンプ」

 

友人-"ギンイロオウカン"は穏やかなやつだ。

そして陰が薄いヤツでもある。

印象がどこかぼんやりとしていて、だけどこんな自分の友だちでいてくれるような変人。

正直、オウカンみたいな変なやつと出会ったのも初めてだ。

自分も相当である自覚はあるが……とにかくそんな感じだ。

だけど特に困らされることなんて何もないし、結局どちらも他に比べる例がいないから程度が解らないから比べようもないのだ。

そんな友人と過ごす日々に満足している自分がいる。

だからこの生活がずっと続くものだと思っていたんだ。

……あの日までは。

 

「「誰だ?ソイツ」」

 

ふたりきりで色々と喋っていた時、お互いがお互いによくしてくれる先輩にバレた。

先輩たちは各々とても過保護で…。

 

「「わ」」

「「何もされてないだろうな?」」

「「ただの友だちですよ」」

 

先輩たちは俺たちのことをそれぞれ引っ張ると威嚇しだした。

結局そのあとはふたり仲良く怒られてしまって、今度からは俺たちも一緒とか言い出したからどうしようもなくなって……。

俺たちは先輩たちが争うよりはとそうすることにした。

結果、

 

「こんにちは、"リョテイ"先輩」

「おう」

 

"ギンイロオウカン"のことを大切にしている先輩-"キンイロリョテイ"と仲良くなった。

それは、また逆もしかり。

 

「…にしても」

「はい?」

「お前、アイツに似てるよなぁ。顔立ちはあんまなのに。雰囲気か?」

「先輩こそ。ウチの先輩と似てますよ」

「やめろ気色悪ぃ」

 

…やっぱ、顔の好みも似てんのかね。

どこか琴線が刺激される目の前の顔に内心ドキドキする。

先輩とはまた別の感じだけど、同じくらいにカッコよくて美人で……。

俺はまじまじと目の前の顔を眺めてしまう。

その視線に居心地が悪くなったのか、目をそらすリョテイ先輩だけれども、とまどってるのが可愛らしい。

……やべぇなこれもう発作もんだわ。

だっていつもはこんなこと無いのにドキドキするし可愛いとか思っちまってるし!

いやこれは違うか!?

いやでもなんかこの感覚は……。

 

(やっぱり、先輩と似てるなあ)

 

脳裏に浮かぶのは大切な先輩。

ちょっととんでもないことをやらかす時もあるけど頼りがいがあって優しい先輩。

……うん。

やっぱ、似てるわ。

俺は目の前の先輩を改めて見る。

そして、その目を見て思った。

───あぁ、この人もギンイロオウカンのことを大切に思ってるんだろうなって。





もしくは鏡写しの向こう側?
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