こんにちは、僕です。
サンデースクラッパです。
今、僕はいつもと違う場所にいるのですが、
「
「
なんでだろう?
僕を見て周りのニンゲンさんたちがざわざわしている。
それを不安に思っていると白峰さんが「みんなびっくりしてるんだよ」と話しかけてくれて。
びっくりしてる?
「そう。あまりにもキミが、キミのお父さんとソックリだから」
お父さん…?
「キミのお父さんがいたのは元々この国だったからね。
そして、数年前までこの国にいたからキミのお父さんを覚えてる人もまだいるってこと」
ふぅん…。
でも、会ったことのないお父さんと似てるって言われてもなぁ…。
「まぁ、会ったことのない馬の話なんてされても、ねぇ?」
朗らかに笑う白峰さんと一緒にいると微かな蹄の音が…、!?
『…?』
『……、』
ビクッとする僕の前に現れたのは大きな栗毛の馬。
近づいてきたからなにか僕に用があるのかと思ったのだけど何も起こらない。
『(…いや、ホントになんだこの馬)』
そうしているとプイッとその馬は踵を返していった。
「…スクラッパ」
あの栗毛の馬が去っていった方を眺めていると静かな白峰さんの声。
その声にキュッと身が引き締まる。
「普段通りに、ね?」
……はい。
*
僕の戦い方はいつも変わらない。
ただ、最後まで逃げ延びるのみ。
けれど、
『(……おかしい)』
あの"気配"がない。
いつもならあるはずなのに、後ろから僕を追っているはずなのに。
…なんでいない?
"気配"があってこそ、僕は、僕は、今まで勝てて…。
そんなことを考えていたとき、横を醒めるような栗毛が駆けていった。
その明るい毛色を目にとめた瞬間、僕の中に渦巻いたモノ。
それは、
『(そこは…)』
そこは、
『そこは、…僕の場所だろうがッ!!』
ずっとずっと走り続けていたから今にも肺が破れそう。
息だってバカみたいにあがってる。
だから、
『 返 せ よ 』
『……ッ!?』
その一瞬、ひどく驚いた栗毛の馬の顔が見えて清々とする。が、
『ゲホッ、ゴホッ…ガハッ、ゴフッ!』
心臓がバクバクといってうるさい。
息も異常に荒くなっているから必死に治す。
そうしているとまたデジャヴのような足音が、
『…グローリーゴア』
『……え?』
『ボクの名前。…次は、勝ちます』
『え…、うん。…うん?』
…うん。僕、この時はまったく思わなかったんだ。
まさかこの栗毛の彼-グローリーゴアと一生の付き合いになるなんて…。
舞台は96年BCクラシック。
戦う者:
サンデースクラッパ。1992年生。芦毛。
96年帝王賞優勝のちに渡米。
現役時の姿は父に激似。だが引退後は芦毛らしく真っ白けに。
父に空前にして絶後なあの馬を、半兄に世界をボコボコにシバいていったバケモノこと無敵の弾丸を持つ。
性格は穏やか…だが、とある"気配"を感じるとガチビビりして気性難っぽくなってしまう。
脚質は某狂気の逃げ馬のような逃げ…と目されていたが、その本質は他馬に差されてからにある。
そう、自分が差されたと分かった瞬間父譲りの勝負根性で、コロす勢いで差し返しに来るのだ。
もはや執念と呼んでも差支えのないその豪脚に差したと油断していた馬は差し切られるしかなくなるし、また、そのうちバテて落ちてくると思っていたら逃げ切られる。
なのでコイツに勝つためには通常時を差し切れる脚と覚醒時から逃げ切れる脚のふたつが必要となる。
ちなアメリカにて種牡馬になったあとに、父グローリーゴア・母の父サンデースクラッパで三冠馬を出した。
栗毛の馬:
グローリーゴア。1993年生。栗毛。
父はもちろん三代目ビッグレッドなあのお方。姿も激似。
性格は基本純粋培養天然タイプだが対:戦う者に対しては激重感情の結果、言動と行動が多少愉快になったりする。
無敗の三冠馬だったところに現れた戦う者の脚に魅せられた。
人々が望むように、敗北知らずで生きていたところ突如として現れた戦う者に見事なまでの脳焼きを敢行された模様。
戦う者に負けたことによって初めて『負けたくない』という気持ち等諸々が生まれ、戦う者に激重感情を拗らせていく。
拗らせつついっぱい『僕だけを見ろ』した結果、最終的に見てもらえるように。
ちな戦う者に『キミに会えてよかった』と言われた回は内心有頂天で暴れ回っていたらしい。
引退後は戦う者と唯一無二の親友になった上で放牧地が隣同士となり種牡馬生活を満喫(まぁ戦う者と放牧地を別にされそうになって駄々こね…暴れたとも言うが)。
んで激重感情拗らせた相手である戦う者の血を持った牝馬との間に三冠馬を出した。
ナニカ:
さすがにサンデースクラッパも大人なんだからもう僕がケツ叩かんでええやろの気持ち。
レースは少し遠くから眺めていた模様。
騎手くんがんばえ〜、スーちゃんがんばえ〜のモード。
その結果、サンデースクラッパが覚醒してくれたのでホクホク。
やった〜、騎手くんとスーちゃんとってもつよ〜い(キャッキャッ)と陰ながら喜んでいたらしい。