さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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好きな人の前では大人しくしてるだけ。



大人と子ども

はじめ。

シルバープレアーはアサビケシンという少女を親友の娘としか見ていなかった。

親友によく似た…しかし目つきは鋭いその少女は何故だかシルバープレアーを慕ってくれ、少し休みがあれば頻繁に彼女に会いに行っていた。

なにせ彼女はシルバープレアーの生まれ故郷で世話になるようになったので自ずと可愛がるようになった。

 

「やぁ、アサちゃん」

「プレアーさん!」

 

本当に可愛い。

元より好みの親友の容姿を引き継いだ娘である。

いやこう言うと変態じみてるな我ながら…。

でも子どもは可愛いのには変わりないし、親友の娘が可愛くないわけがないのだ。

幸せものだな僕は……としみじみ思いながらアサビケシンの頭を撫でる。

彼女は嬉しそうにはにかんで。

この笑顔を守りたいと思うのは親心みたいなものだろうか?

しかし、シルバープレアーはアサビケシンが自分に懐いてる理由がわからなかった。

確かに自分はアサビケシンの父親と仲が良く、アサビケシンのことなら生まれた頃から知っている。

なのでこの慕われようは年上のお兄さんに対する憧れとかそういうものだと思おうにも、

 

「プレアーさん、好き」

「ありがとう」

 

学校に通っている年齢になってもなお、彼女はシルバープレアーに好意を抱いているようで。

…嬉しいは、嬉しいけど。

しかし、シルバープレアーは別にアサビケシンを恋愛対象として見ているわけではなかった。

何よりこの好意に恋愛的感情が含まれているというのを信じられずにいたし、そもそも親戚の子みたいな感覚の方が強かったので自分がアサビケシンにとって不誠実な人間になるのを避けたかったのだ。

が、それが悪かったのだろうか?

ある日のこと。

引退のセレモニーも終わり、故郷にトレセン学園からの荷物もおおかた運び終えた頃。

久しぶりに会えた彼女に話しかければ、

 

「わ」

「なァ、プレアー」

「!?」

 

押し倒された。

いつの間にやらシルバープレアーよりも大きくなっていた彼女にマウントを取られては抵抗らしい抵抗もできず(そして抵抗して彼女を傷つけるわけにもいかず)。

どこかかつての親友に似た喋り方になっている彼女。

シルバープレアーは驚き、声を出せずにその一挙手一投足をただ待っていた。

しかしアサビケシンはじっとシルバープレアーを見ると、どこか面白くなさそうな顔で首筋を指先でなぞった。

突然の奇行に肩が跳ねるが、相手は子どもだ……と自分を落ち着かせる。

一体全体何をしているのか?

訝しげにアサビケシンを見上げれば彼女はぐっとシルバープレアーのシャツのボタンをプツリと開けて肌を露出させる。

 

「あ、あの…アサちゃん?」

「オレ、もうとっくに大人のオンナだよ」

 

親友にそっくりだった容姿はどこへやら。

今はもう親友の容姿の素養を残した絶世の美女となっていて。

こりゃモテるだろうなあと思ってはいたけれど。

 

「ずっとずっと、アンタが好きだよ」





これから押して押して押しまくるんだ。
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