さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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リクエストより【シルバーチャンプの系譜が凱旋門獲って一族の呪いを晴らす話(その凱旋門獲った奴は、内心何時迄も過去の幻影に囚われてる一族や人間といった周囲にガチギレしてて、その結果怒りに任せて凱旋門獲って『俺を見ろ』と言わんばかりに嘶く)】です!

う〜ん、これはシルバーチャンプ経由でオグリの名が日本競馬史に燦然と残り続けるな…(白目)
この作中世界銀弾もみんなの脳焼いたけど、オグリも大概なのでは?(まぁリアルの史実からもそうだけどさ…)




夢を見ずにはいられない

ずっとずっと家が嫌いだった。

俺の父親はシルバープレアー。

家の悲願だった凱旋門賞を勝ち取った、銀色の一族の異端児。

 

「レイ」

 

父さんは優しい人だった。

「体は大事にしなさい」と何度も何度も幼い頃から言い含められた。

けど、

 

『凱旋門賞を今度こそ我らの手に』

『あのような異端児が獲ったなど認めぬ』

 

そう言うお前らの方がおかしいよ。

なんで体をぶっ壊してまで笑えるんだよ。

一応銀色の一族に所属する者だからと引き合わされた本家連中が気持ち悪くて仕方がなかった。

勝てばいいところだけ勝っておけばいいだろ。

なんで、なんで、

 

『…やはりあの血筋の人間だからソックリだ』

『お前は、あの黄金旅程にソックリだ』

 

俺の母の家とこの家は仲が悪いらしいとは何となく察していた。

母方の祖父にソックリだという俺は家のヤツらから多少目の敵にされていた。

 

「…みぃんな、いなくなってやんの」

 

けれど、最終的にはみんないなくなった。

全員が全員、怪我をしていなくなったのだ。

やっぱり気が狂ってんなぁ、本家のヤツらとひとりごちる。

 

『お前だけが希望だ』

『あの血が入っているならきっと海外でも…』

 

期待してたヤツらが戦線離脱した瞬間、誰もが俺に祈りを寄越した。

…なんだよ、それまでは俺のこと認めもしなかったくせに。

 

「なんで俺がこんなとこにいるんだか」

 

そんなこんなで連れてこられた凱旋門賞にて深いため息をつく。

人気は、…それなりに高い。

いや、これまでずっとそうだった。

────あの、"シルバーバレット"の存在から始まった銀色の一族が出走する時はずっとこうだった。

…誰も俺を見てやしない。

観衆が見ているのは、俺の血統だけ。

 

「…あぁ、大丈夫だよトレーナー」

 

イラついている俺に声をかけてきたトレーナーに大丈夫だと言葉を返す。

昔っから俺みたいな気性難の相手ばっかさせられてきたトレーナーだ。

初対面の時はだいぶ逆らったが今ではいいコンビになったと思っている。

 

「楽しんでこうぜ。─────なぁ、ケンイチ?」

 

 

逃げ・先行の戦法が主流な銀色の一族だが、俺は追込みを主な戦法として取っていた。

だってよ、馬群を突き破って、先に走ってたヤツの吠え面見るとさぁ面白くてたまんねぇんだ。

だから、

 

「お前なんか知ったこっちゃねぇ」

 

前には今にも消えそうな小柄な幻影がいる。

 

「そろそろくたばれや老いぼれ!」

 

そして、俺の名前を覚えて逝け。

 

「俺は…、ッ俺が!シルバアウトレイジだっ!!

 

旧き亡霊が掻き消えたその時、門は盛大にぶち壊され。

その瞬間、爆発のような歓声が響き渡る。

だがシルバアウトレイジはその歓声をかき消すように咆哮を上げた。

それはまるで、彼が今ここにいるという存在証明のようで。

 

「…アイツ」

「え?」

「いや何でもねぇ」

 

帰国の途上で呟いた言葉に、聞き返してきたトレーナーになんでもないと手を振った。

それから、シルバアウトレイジは目を閉じて述懐する。

あの時掻き消えた、"シルバーバレット"という亡霊。

その顔は、

 

「あんな顔されたら面白いもんも面白くねぇ」

 

シルバアウトレイジを見て、心底愉しげに笑っていた。




ファン愛称→"銀色の激情"or"激怒":
シルバアウトレイジ。
牡馬。父シルバープレアー、母父ドリームジャーニー。
某黄金旅程に見た目がソックリ。でもレースでは真面目。
2019世代。主戦はikze。
人呼んで大事なレースしか獲れない男。


主な勝ち鞍(G1):
朝日杯FS(2018)
日本ダービー、天皇賞・秋、香港ヴァーズ(2019)
KGVI & QES、凱旋門賞、BCターフ(2020)

非常に気性が荒く、一度はkrtnちゃんが騎乗したが「この子はikzeさんに任せた方がいいです」との進言により主戦騎手ikzeとなった。
戦法は追込み。ガチガチに最終直線で突っ込んでくるタイプ。
引退後のポスターには『夢を見ずにはいられない』というキャッチコピーをつけられ、種牡馬になったのちはシルバーチャンプ系のサイアーラインを繋いでいくことになる。
産駒はシルバーチャンプの爆発力とステイゴールドの丈夫さをいい感じにミックスしたものとなるが気性はお察し()。


シルバアウトレイジに激重感情勢(という名の…):
19秋天でぶち抜かれて、そのまま二度と対戦することなく勝ち逃げされたために銀色の激情にちょっとあれやこれや感情を向けてるキューカンバーさん(なおこの世界では8冠で引退)。
そんな彼女の姿を見たり、凱旋門賞やら何やらを勝ち取って引退かました銀色の激情に「一緒に走ってみたかった」やら何やらを抱いてる飛行機雲と最近ウ…娘にきた大胆な戦法さん。

我等!(ババーン!)

銀の祈り:
息子にホクホク顔。
それはそれとして某英雄に「なんで僕じゃなくて夢の旅路を選んだの!?!?!?」と詰問された模様(修羅場)。
なお黄金の暴君は全兄である兄貴の孫なら実質俺の孫と同じでは?という気持ちでコロンビアポーズをかましている。
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