さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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今日もいっしょ!



あの子だけの"お人形"

お姫様のように着飾られ、人形のように膝に乗せられ、くるくると喉元を撫でられるのに目を細める。

 

「こういうの、好きなの?」

 

己を抱き上げるのは思わず惚れ惚れとするぐらいに鍛え上げられた身体を持つウマ娘-グローリーゴア。

オーダーメイドのスーツがよく似合うその姿は、まるで何処ぞの…。

 

(ま、明らかにカタギではない…)

 

美形だから無言だと怖いんだよな…。

綺麗なぶん、なお怖い…。

だから普段も、すごいすごいって囲まれはするけど親しい人は僕以外にいなさそうって思うのかな?

 

「…グローリー、やさしい人なのにね」

 

ほら、今も僕を抱き締める力はやさしいのに。

 

「そう?ありがとう」

 

言葉も、声も。

 

「……でもさ、僕ってキミより年上なんだぜ?」

 

だから、こんな扱いは……。

 

(子どもじゃないのに)

「分かってるよ。けど……」

 

グローリーは僕の耳元に唇を寄せて囁くように告げる。

 

「こうするとキミが僕のモノだって実感するから」

 

………………。

 

(ひぇ……)

 

この人やっぱりカタギじゃねえや……っ!(確信)

 

 

そのつもりはないはずだが。

こうして着飾ると、『物言わぬ人形だったらよかったのに』と思ってしまう。

特注で作らせた服は彼女-サンデースクラッパによく似合い、その愛らしさをより一層引き立てていた。

 

「可愛い」

 

思わずそんな言葉が口をついて出るほど。

 

「……そう?ありがとう」

 

彼女は素直に礼を述べて微笑む。

……ああ、本当に。

 

(人形だったらよかったのに)

「グローリー?」

 

じっと不思議そうに僕を見つめる彼女-サンデースクラッパに僕は微笑み返す。

 

「何だい?」

「……ううん、なんでもないや」

 

ああ、きっと『何でもない』ことはないのだろうけれど。

 

(それでも何も言わないのがさ)

 

いじらしいというか、何というか。

「キミは可愛いね」

「……グローリーは、かっこいいよ?」

「ふふ、ありがとう」

 

 

『ほら、こっちおいで』

 

手招きされて僕は素直に近付く。

 

『いい子だね。ご褒美をあげよう』

 

そう言って頭を撫でてくれるので、僕はもっとと強請るように頭を寄せる。

 

『甘えん坊だなあ』

 

そんな僕を見て彼女はくすくすと笑う。

それが嬉しくて僕も笑うのだ。

ああ、幸せだ。

ずっとこのままでいられたらいいのに。

幸福に頭がふわふわとする。

 

『よしよし』

 

やさしく抱き上げられて、頭を、頬を撫でられて。

きゅうと手を握って。

『大好きだよ』なんて騎士様がするみたいなキスを指先に落とされて。

 

『ずっと、ずっと一緒にいてね?』





【戦う者】:
サンデースクラッパ。
色白で華奢。
なので着る服によってはマジで等身大のお人形さんみたいになるらしい。

【栄光を往く者】:
グローリーゴア。
【戦う者】に貢ぐのが趣味。
可愛いなぁと思っている。
それはそれとして周りに取り巻きがいるタイプのカリスマ持ちウッマだったりする。
でも【栄光を往く者】の目に入っているのは【戦う者】だけなんだよね。
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