「ねぇ、キミ!」
「うおっ!?」
突然引っ張られた腕に俺は息を吐いた。
猫背でフラフラとあるいていたときに不意に引っ張られた腕。
それに「あ゛?」と言いながら振り返れば、
「…あれ、?」
「は…」
そこには、ぼたぼたと涙をこぼすガキがいた。
フードを深くかぶった子どもが俺を見て抱いた感情の、その詳しいところは分からない。
だがぼたぼたと涙をこぼす姿を放っておくことができなかったのも事実。
「…あ゛〜、なんだ」
「?」
「……ジュースでも奢らァ」
だって傍から見たら、このガキを俺が泣かしたってコトになんだろ?
*
その日から、俺はたびたびそのガキと会うようになった。
フードを深くかぶったガキ。
ガキがいつもいるのは俺が秘密裏にサボり場所としていた小高い山のテッペンにある公園のベンチで。
そこでガキはひとり、寂しく座りながら"誰か"を待っているのだ。
「よォ、クソガキ」
「…、」
どかりと隣に座るとぺこりとガキが会釈する。
…あぁ、ホントに可愛くないガキだコト。
春も、夏も、秋も、冬も、……飽きもせずこんな寂れた公園にいやがって。
「オメー、誰を待ってんだ」
だから、ついに我慢できずにそう聞いた。
答えがあるとは思わなかった。ただのひとりごとだった。のだが、
「"ともだち"を、」
「…あ?」
「"ともだち"を、まってるんだ」
ベンチに座る俺たちを真っ赤な夕暮れが照らす。
フードにかくされたガキの目が、たしかにその夕焼けを見ていると、俺には、なぜか分かって。
「此処の景色が、ぼくも、"ともだち"も、好きだったから」
「だから、此処にいれば、いつか来てくれるんじゃないか、って…」
「『ンな寂れた場所で寂しくなにやってんだ』って、僕の手を、引いてくれるんじゃ、ないかって…」
ガキの頬にぼたぼたと涙が伝っていく。
声が、吹きすさぶ風よりも激しく震えて。
そしてついにはワァワァと泣き出した。
「なんで、なんで僕をおいていったんだ!」
「僕よりもキミの方がずっとずっと若かったのに!」
「キミだけじゃない、"みんな"が僕をおいていった!」
「こんななら、はじめから突き離してくれた方がよかった!」
「こんな気持ちになるなら、キミと出会わなければよかった!」
叫ぶ、叫ぶ。
それは、喉が裂けそうな、今にも魂が張り裂けそうな、
「ひとりはいやなんだ!」
「ひとりはさむくて、くるしくて、かなしくて!」
「"あのころ"のしあわせが、…あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!」
ガリガリと頭を掻き毟る音。嗚咽。その他。
「ぼくをひとりにしないで!─── サンデーサイレンス!!」
そうして、ひときわ大きな叫びはボヤけて、カスれて。
だがその悲痛さは、
リョテッとした方:
ある日出会った"ガキ"と交友を深める。
なんだかんだ面倒みはいい。
"ガキ"が自分に"誰か"を重ねていることを感づきつつ、付き合ってた。
そして今回"ガキ"がその"誰か"を罵るのを聞いてちょっとばかし…。
リョテッとした方いわく"ガキ":
いったいどこのシル……バレ…さんなんだ?
"あのころ"の記憶を持っており、自分に逢いに来てくれない"ともだち"に少しばかり病んでる。というか、これまでの生のおかげで『おいていかれる』ことにトラウマがあるんだよな…。
いちばんは"ともだち"にだけど、その他もろもろにも自分を『おいていった』ことに関して怨んでいる系の方。長生きだったので…。
ちな"ともだち"に対する感情は越えられない1着(白峰ェ…)を差し引くと2着くらいには重め(しかし
なお"ともだち"のことしか考えてないために、周り(い つ も の+産駒たちetc.)から刺すような激重感情を向けられているが全然気づいていない。
"あのころ"は月命日に必ず、どんなに忙しくても"ともだち"の墓参りをしていた。花とかお菓子とかいっぱい供えてた。
だがしかし"ともだち"以外の墓参りは盆だけだったと考えると…。
"ともだち":
(この世界に)いるかもしれないしいないのかもしれない。
いろいろと一人勝ちしてる。
でもそれはそれとして自分のため(もしくは自分のせいで)泣いちゃう"ガキ"に嬉しいというかなんというか…という感情。
自他ともに認めるマブダチだったからね(ニッコリ)。
ちな"ガキ"に対する感情はカラッとしてるように見えて意外()と重め()…らしい。