同じ"空"を見ている。
寸分違わず狂いもなく、揃いも揃って───同じ"星"を見ている。
元より誰も見ていない、
その"星"を間近に見た瞬間より、その光に焼かれてしまってはもう何も見えなくなって。
盲いてしまった目に映るのは"星"の残光ばかりになり。
その光に焼かれてしまってはもう何も聞こえなくなって。
そうなってしまった耳に響くのは"星"の残響ばかりで、もう何も聞こえなくなって。
やがて、その"星"も消えたなら。
きっと、あとはもう、音すらない孤独な暗闇だけが残るのだろう。
「─────」
そんな暗闇に一人きりで取り残されて、ようやく思い出すのだ。
……ああ、そうだ。
「──────」
それでもまだ、この胸は動いている。
生きているからには
……ああ。
"星"を掴めなかった
そんな確信を胸に抱いていた時だ。
───随分と辛気臭い顔してるな。
ふと聞こえた声に振り向く。
いつの間にそこにいたのか、すぐ隣に誰かが立っていた。
…誰だったっけ?
盲いた目には、聞こえなくなった耳にはそれがどこの誰だか…というか、そもそも"星"しか認識していなかったから、どうせ。
「─────」
それでも、それが誰かなんてすぐに分かった。
この声の持ち主だけはこんな自分に飽きもせず話しかけてくれていたから。
……ああ、そうだ。
"星"を掴めなかった
この声の主はそれが違うと思っているらしい。
───よう、久しぶり。
そう言って空元気のように笑う声には聞き覚えがある気がしたけど、やっぱり。
誘われるがままに奢ってもらった飲み物に口をつけながら話をする。
"星"を見てしまってからの
……それでも、この声の主はこんな
だから、"星"を掴めなかった
かつて憧れたあの光を見失ってもまだ生きていられるのは。
───そうか? お前が思うよりお前はずっと…。
そう言ってくれる人がいるからなのかもしれないと、漠然と…そう思ったのだ。
今日も、"星"は空でまたたいている。
"星":
金輪際現れない一番星()。
元からそれなりに焼いているが、その光を認識してしまったが最後である。
遠目から見て『綺麗〜!』ってしているのが一番安泰。
"星"に惹かれる人々:
"星"に魅入られることが運命づけられている。
元より"星"しか見ていないため
たぶん初めっから視座ってヤツが違う人々。
まぁ…本人たちはそれでも幸せなんで…。