さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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ひとりこどく。



「…まだ、僕が"主役"じゃないみたい」

最近のトゥインクルシリーズはすごく盛り上がってるなぁ、と思う。

黄金世代とか絶対覇王とかその他いっぱい。

 

「すごーいなー」

 

チーム部屋にちょうど置かれていた雑誌をパラパラめくりながらそんなことをひとりつぶやく。

他のメンバーはみんなみんなトレーニング中だ。

僕は今日来るらしい必要書類を待っているというところ。

 

「失礼します」

「…あれ、どうしたのハイセイコ」

 

そうしているとチームメンバーの内のひとりであり、僕の右腕であるシロガネハイセイコが部屋にやって来た。

トレーニングに勤しんでいたはずでは?と首を傾げると靴紐が切れてしまったから、替えのものを取りに来たのだという。なるほど。

 

「それにしてもリーダーはなにを?」

「ん?いや、書類待ちついでに雑誌見てただけだよ」

 

ハイセイコに持っていた雑誌をヒラヒラ見せると納得、といった風な顔をされる。

そして「誰か注目の子はいましたか」とも。

 

「注目の子ォ?」

「はい」

「いや…、それ僕が言っていいの?」

「まぁ、私たちだけの秘密にしますので」

「…ならいいケド」

 

興味津々という顔で見つめてくる彼女に「はぁ」とため息をつく。

彼女に限らず、僕はこのチームのメンバーの頼みごとに弱い。

何故だかは理解できないが最終的に彼女たちのワガママを叶えてしまうのだ。

 

「他言無用だぞ?」

「はい」

 

真剣に自分を見つめてくる彼女に、ひとつ頷いてから話し始める。

 

「まずはオグリキャップだな」

「はぁ」

「あとは、シリウスシンボリ、エルコンドルパサー、マンハッタンカフェ、ナカヤマフェスタ、ゴールドシップ、サトノダイヤモンド…」

「ちょ、ちょちょちょ…、待ってください」

「うん?どうした?」

「多くないですか?」

「言えって言ったのはキミの方だろ?」

「それはそうですが…」

 

 

「よォ、ゴルシ。何やってんだ」

「おう、ナカヤマ!…ほら、アレ見てみろよ」

「はァ?……なんで"あの人"がここにいんだ」

「だろぉ?」

 

その日、ゴールドシップとナカヤマフェスタの視線の先にはとある小柄なウマ娘がいた。

彼女の後ろを尾行しているふたりの後には気づけば面白がったりなどさまざまな理由はあるが数人のウマ娘が集まっていて、

 

「…ええと、何の、用、かな?」

 

最終的に彼女たちの尾行に気づいたらしい小柄なウマ娘-名をシルバーバレットという-が苦笑しつつそう問うた。

そんな彼女の問いに「お前がいけよ」「いいやお前がいけ」「じゃあ賭けだ賭け」「今そんな時間ありませんよ」などと、ちょっとした騒ぎはあったが、

 

「い、いや、アタシたちよぉ…」

「うん」

「アンタと、仲良くなりたいな…って」

 

その言葉を聞いてパチパチと瞬きするシルバーバレット。

だが一分もしない内に、

 

「あはははっ!うん、いいよ!仲良くなろう!」

 

そう言って、彼女は笑顔で手を差し出して…。





なので「友だちになろう」されたらウキウキで友だちになります。
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