……このクソ神ィ!!人の心無いんか!?!?!?
「今度は僕が勝つ!だから首を洗って待ってろよミスター!」
「ハハ…そりゃあ楽しみだねシルバー」
「あー!本気にしてないな!僕がチビだから!!」
「してないしてない」
ミスターシービーとシルバーバレットは双璧を成すライバルだった。
もはや『宿敵』といってもいいかもしれない。
三冠を制したミスターシービーのそばにいつも必ずいたウマ娘。
それがシルバーバレットであり、ミスターシービーがいない場所では必ず勝つ彼女に「いつかミスターシービーに勝ってくれ」と、また遠き日の"流星の貴公子"の姿を彼女に重ねる者も数多く。
その次の年に後世にて『皇帝』と謳われるウマ娘が現れようともシルバーバレットはミスターシービーを自らの『宿敵』だと言い続けた。
「ミスター、もう一度、もう一度だけでいい。
残酷だとは分かってる…。でも、僕は、僕は、もう一度キミと…」
残酷なことだとは、分かっていた。
でもシルバーバレットはもう一度、もう一度…、あの頃のようにミスターシービーと走りたかった。
彼女に追ってきて欲しかった。
自分が逃げるのは
そう、みっともなく泣き喚いて縋った、縋りついた。
だが、
「…私じゃなくても、ルドルフがいるよ」
暗く沈んだ目の彼女にはシルバーバレットの言葉は届かなかった。
去っていくミスターシービーを呆然と見つめるシルバーバレット。
けれど、そう時間の経たない内にぼう、とシルバーバレットの目に焔が宿る。
そして、
「お前の代わりに『皇帝』に勝ったぞ、ミスターシービー」
寒い冬の日、一年最後の大一番、中山レース場の観客席にいたミスターシービーにギラついた眼でシルバーバレットが静かに告げる。
「僕は、凱旋門賞に行くよミスター。
だから、帰ってきたら、もう一度走ろう。…本気の、本気で」
シルバーバレットはミスターシービーにそう誓った。
誓った、…はずだった。
「あ、れ?」
バキリ、と。
嫌な音が鳴った。
凱旋門賞に行く前の、壮行レースとして選んだ春のグランプリ。
ファンのみんなに僕の姿を見てもらいたいと選んで、ファン投票も1位になって、なのに、なんで…。
「いやだ」
観客席からは悲鳴が聞こえる。
違う、違う違う違う!
僕が欲しかったのは、みんなにもらいたかったのは歓声なのに!!
落ちていく、抜かれていく。
やめて、やめて。
そこは、ぼくのばしょ、なのに。
「ぁ、」
真っ暗になっていく視界で、さいごにみえたのは、
「みすたぁ」
僕(火事が起こらなかった√):
『…なんつーシケたツラしてんだ。
せっかくの大舞台なんだからよォ、楽しんでこうぜ──なァ、
『……ねぇ、
主な勝ち鞍→ジャパンカップ(1983)、有馬記念(1983.1985)、天皇賞・春(1984)、宝塚記念(1984)、天皇賞・秋(1985)
関西の期待馬だった"サラ系"。1990年顕彰馬選出。
やはりどの世界でも人の脳を木っ端微塵に焼き払う系ホース。
三冠はオール2着だったがジャパンカップ、有馬記念獲って春二冠したからヘーキヘーキ。
なおこの√では1984年の秋~1985年の春を右前脚の繋靭帯炎で全休、のちに1985年天皇賞・秋、有馬記念で皇帝をボコボコにする。
(この世界での皇帝は1985有馬記念の代わりに1985宝塚記念を勝ってる)
そして有馬記念勝利後、凱旋門賞挑戦を打ち出し、ファンからの要望と本馬の調子が今までの競走生活の中でも最高の値と言っていい出来であったことから1986年宝塚記念に出走していたところ第4コーナー付近で右前脚を解放骨折。2番手以下を大きく引き離し、悠々とゴールするかに思われたところでの悲劇であった。
なおシルバーバレット本馬自身はそうなった後も必死でゴールに辿りつこうとしていたが主戦騎手であった白峰透が泣く泣く走ることを止めさせた。
その翌日、シルバーバレットを救おうと医師団が結成され、手術が行われた。が右前脚に入れたボルトが体重で折れ、骨がズレたまま固定された結果、患部が腐敗し症状は悪化の一途を辿っていく。
だがそれでもシルバーバレットは気丈であり、最期の最後まで周りの人々に弱ったところを見せまいとした。
また亡くなる前最後の一週間は決して眠ろうとせず、そのあまりの惨さに馬主であった白銀仁と主戦騎手であった白峰透がシルバーバレットに「もういい」「ありがとう」と叫び、それに追随するように厩舎の者たちも次々に、口々に、彼へ言葉を告げるとシルバーバレットはようやく「そっか、もういいのか」とでもいうようにゆっくりと崩れ落ちた。
…その死に顔はそれまでの闘病生活が嘘に思えるほどに、安らかなものであったという。
たぶん(この軸では)ウマ娘化が難しいお方。
よしんば出走してきたとしてもCB→←銀弾←皇帝の滅茶苦茶ジットリ濃厚湿度なストーリーを見せられる。
自分をボコボコにした相手(銀弾)は自分がボコボコにした相手(CB)を見てるんだ…。
もちろんCBも皇帝に激重感情向けてるし、こんな自分でもライバル!って言ってくれる銀弾に独占欲抱いてる。
そんな関係性なんだ。
(なおこの√の銀弾はCB、皇帝からめっちゃ過保護に扱われているものとする)
しかし史実(今話の軸)√のウマ娘にて病室で虚ろな目で横たわりながら「だいじょうぶ、だいじょうぶ…」「やくそくしたでしょう?ね、だからね、はしろう?はしろうよ、みすたー…」って自分の手を握るCBに懇願する銀弾とそれを病室前のドアから見ることしかできない皇帝とか…なんていうか…その…下品なんで…フフ…やっぱやめておきます…。
白峰おじさん:
運命にどれほどハッ倒されようが絶対に騎手辞めないヒト族。
銀弾という存在が疵なり何なりで一生こびりついたままになる。
何年経っても最強の存在は銀弾だって言い続けるし、最終的にはシルバーチャンプの系列に滅茶苦茶乗る。
それはそれとしてシルバーチャンプに騎乗して1999年宝塚記念を獲ってる。
たぶんこの世界の宝塚記念は日経新春杯と同じように「今年も全馬無事に」って言われてると思う。
『勝ち時計2分12秒0!13年と2分12秒0です!鞍上・白峰透とシルバーチャンプ!!』
『"彼"が散ったあの日から、約10年の時を越えて、今度こそ、今度こそ!銀色の一族が凱旋門賞を目指します!!』