さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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好き好き大好き愛してる!



何度でも

「僕のこと、見つけに来てね」

 

単なる冗談だった。

僕のことが大好きなキミにちょっとした呪いを。

まぁ、たとえ生まれ変わったとしても記憶の持ち越しなんてそうないだろうし、そうなってもきっと僕以外を選ぶだろうと。

けれど。

 

「スー」

 

出会って最初から、愛おしそうに僕を撫でる彼に若干口元が引き攣る。

なんで?と言おうにも、ポロポロと目の前の彼が泣き出すので何も言えない。

え、なんで泣くの?

そんなに僕のこと好きなの?

僕何も出来なかったのに。

彼の涙を拭ってやろうにも、このぎっちりと抱き締められた体勢では無理で。

……いや、この体でも出来ることはある。

彼の涙にそっと口を寄せた。

すると彼はまた嬉しそうに笑うので、なんだか僕も嬉しくなる。

……あれ? 僕ってこんなにチョロかったかな。

それからというものの彼は事あるごとに僕に好きだと伝えてくるし、僕が彼以外の人間には触れようとすればあからさまに威嚇している。

さすがに家族相手には許してくれるが、それでも時折不安そうな目で見てくる。

彼は比較的誰にでも愛想のいい部類だった筈なのに、それがここまでになるなんて僕一体前世で何をしたっけと本気で思った。

だけどそれと同時に優越感もある。

他の誰かを選ばないほど、僕に執着してくれているんだと。

しかしこのままだといけない気がする。

彼は相変わらず僕を抱き上げては愛おしそうに頬ずりので、僕離れをさせなければ一生、…いやずっとこのままではないかと危惧した。

そんな僕の思惑など知らずに彼は今日も今日とて……。

 

「スー、愛してるよ」

「そう」

 

…………。

ねぇ、気づいてる?

キミ、いま僕を抱き上げているんだよ。

下ろしてくれないかな?と目で訴えても彼は幸せそうに笑うばかりで。

いつもなら離してくれるんだけど……いやそれ以前だよね?と見つめられすぎてドキドキする胸の音を感じながら思考を回すも答えは出てこないしでもうどうしたらいいか分からない。

最近ではこの光景が当たり前になったからか、周りから何も言われないし、逆に「あらあら〜」的な微笑ましい顔で見られるばかり。

 

「…ご飯作りたいんだけど」

「もうちょっとだけ」

「ご飯作ったあと好きなだけ抱きしめさせてあげるから!」

 

…元々、こんな感じで甘えんぼさんだったんだろうか。

前は抑えてくれていただけで。

そんなことを考えながら、どう抜け出そうかと考える僕は、僕を見つめる彼の目に宿る色を知らぬまま…。

 

「だから離してってば!」

「え〜」





見るからにクソデカ感情と実はクソデカ感情の話。
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