さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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お互いそう思ってそう。



世話しないと…

「…お前、ちゃんと飯食ってんのか?」

「食べてますよ?」

 

避けさせるために腰に手をかけ引っ張られた後、そう告げられた。

昔よりはちゃんと食べているのだけど、先輩が言うには細いらしい。

昔から心配性な人ではあるが、ここまで来ると食育してきそうな勢いである。

それだけ俺のことを大切にしてくれているのだけど。

いい先輩、なのだと思う。

少し過保護すぎると思う時もあるけど。

俺が牝バなら惚れていたかもしれない。

初めて会った時から格好いいし優しいし。

……まあ、この感情は友情の延長線だろう。

もしくは憧れみたいなもの。

今から先輩とどうのこうのするつもりはない。

そんな仲じゃないのだし……。

……いやでも、もし先輩が俺を求めてきたら?

あ、アリ……なのかもしれない……?

ってなにを考えてるんだ俺は!?

いや違う!そうじゃない!

ちょっと思考がそっちに寄っただけで俺は先輩をそんなふうに見てなんかいない!

……でも、もし求められたら……?

俺は、どう、答えるのだろう。

……ってだから違う!そうじゃない!

今は現実に集中しないと!

あ〜もう!

 

あの後、なんとか帰路に着いた。

服とか色々買えたし、いい買い物ができた。が、

 

「風呂入んぞ」

「…はい」

 

いつものように先輩は俺の家に泊まり、一緒に風呂に入る。

まぁ昔ひとりで入って溺れかけたことがあるから心配でというのは分かるがこの年頃で一緒に風呂は恥ずかしい。

……でも、この人がそれを気にするかといえば、 ……いや、しないだろうなぁ……。

あ〜……でも恥ずかしいものは恥ずかしい。

俺はなるべく先輩の裸を見ないようにして体を洗っていくが、先輩は俺の体を凝視している気がする。

いや、多分気のせいだ。うん。

そう自分に言い聞かせて俺は湯船に体を沈めた。

先輩もすぐに入ってくると俺を抱き込む形で湯船に浸かった。

この体勢が落ち着くらしいのだ。

俺も人のことを言えないけど先輩も大概だと思う。

普通はいくら仲良くてもこんな距離近くないんですよ。

……でも、俺もこの状態は嫌いじゃないから何も言わないでおこう。

あ〜……あったかい。

このまま寝れそう。

でも風呂で寝るのは危ないしなぁ。

と、そんなことを考えていると先輩の手が俺の体を這った。

 

「そんなに細いですか、俺の体」

「まぁな。健康診断でもなんか言われてんじゃねぇのか」

「…さぁ?」

「お前がそう話逸らすってことは確実になんか言われてるな」

「ははは」

「お前、俺がいないとマジで飯抜くからなぁ……」





自分がいないとダメだなっていう。
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