クソボケ!!
(やっぱり、そうだよなぁ…)
好きな相手と将来を約束した。
それから長年連れ添い、ようやっと相手の親に挨拶に行ったら難色を示された。
そりゃあそうか。
相手の彼女が気にしなかっただけで僕がサラ系であるのに変わりはない。
ついで彼女は良血の部類に当たるのだし。
「はぁ…」
僕みたいな奴に彼女はもったいないと。
目線がそう告げていた。
それから、僕は彼女のことを避け始めた。
……いや違う。
彼女から、逃げだしたのだ。
彼女はそんな僕に対して、いつもと変わらない態度でいてくれたのに。
僕は、それに向き合おうとしなかった。
そして、ある日を境に僕は彼女の前から姿を消した。
……それが、僕が彼女との最後だった。
*
愛する彼女から共にいてほしいと告げられたのはまだ学生だった折。
そう告げられた時は信じられなくて何度も頬をつねったものだった。
なにせ彼女は表立ってはいないものの、取り合われるくらいには人気者でライバルが多くいたから。
それを出し抜くまでもなく、彼女の方から告白されたのだ。
周囲の者たちの妬みは凄かったが、そんなの気にすることなんてなかった。
だって彼女から求められた自分以上に彼女を愛して幸せにする人なんているわけがないのだから。
……だというのに、彼女はもういない。
彼女とのこれからに向けた挨拶を両親にしに行ってからのことだから、きっと僕のせいなのだろうと思う。
もっともっと、「キミを愛している」と告げていればよかった。
無理やりにでも手をとって、駆け落ちしていればよかった。
両親を必死に説得し、何とか了承をもらえたところで喜び勇んで家に帰るとその時にはもう。
「……」
その日のことを思い出しては幾度となく気分が沈む。
家も、いつでも彼女が帰ってきていいよう、あの日のまま。
あれから数年たった今でも家はあの頃のまま。
親から来た心配の通知すら見ずに、今日も帰ってこない彼女を想う。
…もう彼女は帰ってこないというのに。
「……、」
キミは今どこで何をしているのだろう。
もしかすると自分以外の誰かとよろしくしているのかも。
それが正しいとは分かっているけれど、そう考えるたびに腸が煮えくり返って、……また飽きずにキミを想う。
そしてまた後悔して、こうしてまた一日を過ごすのだ。
ずっとこのまま過ごすのだろうか、と考えてすぐに否定する。
……いや違うな、こうやって毎日を繰り返すのは彼女を忘れるのが怖いからだろう。
もう彼女はいないというのに。
もう帰ってこないとわかっているのに。
だからこうして過ごすのだろうと思う。
彼女がいてくれたら楽しかったであろう一日を、ただ繰り返すだけ。
「はぁ、」
まぁ結局は逃がさないし探しまくるんですけどね!