さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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でもちゃんと執着されてるんだ。
血筋が血筋だから。



諦め癖

一目惚れした。

一目惚れ以外の、なにものでもなかった。

 

「……」

 

あの子を認識した瞬間、世界がキラキラして。

生まれてきて良かったと、初めて思えた。

 

「……お前」

「……」

「その、……大丈夫か?」

「……」

「えと……、」

「……っ!」

「うおっ!」

 

気がつくと、立ち上がっていた。

あの子が、心配そうにこっちを覗き込んでいて。

それが嬉しくて。

思わず触れようとしてしまったのを、なんとか思い止まった。

 

「……だ、大丈夫か?」

「う……うん。大丈夫大丈夫!」

「そ……そう?なら良いが」

 

そう言って笑う姿にも見蕩れてしまう。

人を好きになるってこんな感じなんだ…。

とはいえ、

 

「無理に、決まってるよな…」

 

好きになったあの子は、いわゆる『華麗なる一族』の生まれで。

それに比べて自分は平々凡々な、一般庶民。

ましてや、あの子の傍にはいつも人がいる。

まるで漫画か何かみたいに、結ばれてハッピーエンドなんてことが実際に起きるなぞ……、想像すらできない。

 

「はぁ……」

 

あの子への気持ちを自覚し、飲み込んでいくのと同時に、そんな現実を目の当たりにさせられる。

片思いとは苦しいものだなあ……と一人ため息を吐く俺であった。

 

 

ある日のこと。

いつも通りの授業を終えて帰ろうとしたところ、友人から話しかけられた。

 

「なぁなぁ」

「なんか用?もしかして課題提出忘れてた!?」

「いや、そうじゃなくて。───────のこと好きってホントか?」

「!?」

「あ、やっぱりホントなんだな」

「な、なんでそれを……」

「え?だってお前……。いや、まあそれは良いや。で?好きなのか?」

「……うん」

「そっかー」

 

そう言って友人は俺の肩をぽんぽんと叩くと。

 

「じゃあさ!これやるよ!」

 

そう言って2枚のチケットを渡してきた。

いわく電車でちょっと行ったところにある遊園地の優待券らしく、

 

「え、いいの?」

「良いぜ。俺は行かんし」

 

とのこと。

いや、それなら何故自分によこすのかと首を傾げたが、その理由はすぐに合点がいった。

 

「ありがとう…?」

「ん。頑張れよ〜」

 

…もらったはいいものの。

あの子はいつもちゃんと予定を組んでいるから誘っても断られるだけだと思うんだよなあ。

なら、

 

「あ、おかえり」

「ン。なぁ、」

「ん?」

「遊園地行かないか?」

「いいね。どうせあそこでしょ?」

「そうらしい」

 

寮部屋に戻り、同室の親友兼親戚に声をかける。

ちょっとぼんやりしたところがあるけど優しい親友は俺の唐突な誘いにも嫌な顔ひとつせず付き合ってくれる。

……ありがたい。

 

「また服買いに行く?」

「…おう」





主人公→父ダイタクヘリオス母銀弾の全妹の内の一頭。レースの時とそれ以外での性格の差がすごい。賢いという名のやや気性が粗め。
主人公の同室兼親友→父メジロパーマー母銀弾の全妹の内の一頭。穏やか。だが虚無寄り。

主人公の一目惚れ相手→華麗なる一族出身のSS系。主人公の二面性部分は知らない。
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