「シーちゃん!」
「ん」
手を振って走り寄ってきたのは僕の友人であるハル、本名はハルウララ。
可愛らしい桜色の髪に天真爛漫という言葉が似合う笑顔。
僕が彼女と出会ったのは去年の春。
「どこだろー?」
ひなたぼっこをしていると聞こえてきた声に起き上がると大きなリュックを持って困っているハルがいた。
周りを見回しても、みんなトレーニングに行っているのか誰もいない。
仕方がないと立ち上がり、声をかけたのが僕だった。
「どうしたの?」
「あっ、あのね、私ハルウララっていうの!」
ハルは地方から中央トレセンに転校してきた。
理事長室に行かなくてはいけないのだが場所が分からない。
周りに誰も人がいないので迷っていたところ、僕が声をかけたのだという。
「なるほど。なら、案内しよう」
「ホント?」
理事長室に案内する間、ハルはさまざまなことを話してくれた。
自分の住んでいたところはとてもいい所で、ココで走るからには生まれ故郷の人に喜んでもらいたいこと。
たくさんの友だちができたらいいなぁということも言っていた。
「ここが理事長室だよ」
「ありがとう!えっと、」
「あぁ、僕の名前言ってなかったね」
「うん!お名前、なんて言うの?」
「僕はシルバーバレット。よろしくね、ハルウララ」
*
「シーちゃん!」
「やぁ、今日も元気そうで何よりだ…」
「うわっ!」
「ハルっ!?」
僕を見つけ、走ってくるハルが転けた。
慌てて駆け寄ると「えへへー、転んじゃった」と恥ずかしそう。
怪我を見てやると膝が少し擦りむいて血が出ていたので、治療した。
「消毒液でキレイにするから、ちょっと痛いだろうけどガマンな」
「うん!」
痛みに耐えたハルを撫でてやり、可愛い絆創膏を貼ってやる。
「わー、可愛い!ありがとう、シーちゃん!」
「いやいや。…転ばないように気をつけるんだぞ、ハル」
「うん!」
手を貸して、ハルを立たせる。
さて、走ってきてまで僕に何の用があるのだろう。
そう聞いてやると「あのねあのねー、」と少しずつ話し始めてくれた。
「私、トレーナーがついたんだ!」
「!、そうか、よかったな」
「でもね、私ってなかなか勝てないでしょ?」
「ハルは頑張ってるよ。前だってタイムは上がってただろ」
「それじゃあ駄目なの!私ね、トレーナーに喜んでもらいたいんだー。私が勝ったらトレーナー、喜んでくれるでしょ?」
「まぁ、そうだね…。なら、今日も走るかい?」
「うん!」
早く行こうよー、と自分の手を引っ張るハルに苦笑する。
…やっぱりハルって僕の妹によく似てるんだよな。
僕:何だかんだ困っている人を放っておけないウマ娘。
ハルウララのことを妹みたいに思っている。
そのためハルウララに対して過保護であり、転んだりした時のために救急セットを所持。
なお絆創膏はハルウララに喜んでもらえるように可愛いキャラクターものを選んでいる。