さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

1400 / 1412

魂で覚えてる。



前世からの縁

「おはよう、サンデー」

「おう」

 

起き抜けから僕に抱きついてきた親友を受け止めながら頭を撫でてやる。

…いつもはカッコイイのに寝起きは甘えたなのちょっと、いやかなりギャップ萌えあるな。

元から好みの顔が無条件に懐いてくれるのは嬉しくなるね。

しばらく頭を撫でていると、完全に目が覚めたのかパッと離れていく。

こればっかしはちょっぴり寂しいと思ってしまったのは秘密だ。

何気なしに時計を見ると長針がちょうど頂点で重なっていた。

今日の夜はふたり徒歩で駅前のイタリアン料理でも堪能しない?と誘ってみるかなと考えながら、僕はゆっくりと伸びをして立ち上がった。

 

 

前世の親友と再会したのは偶然だった。

見るからに困っていたアイツを助けたのがきっかけで。

今でも出会った当初の話をすると「サンデーってあの時から優しいよね」と言われるが俺としては前世からの癖がそのまま出ただけだと思っている。

だから、アイツに「一緒に暮らさない?」と誘われた時も二つ返事で頷いた。

コイツの方から誘ってくれるなら断る理由はない。

誰も彼も惹きつけるコイツから誘われるなんてこと、滅多にないのだから。

 

「サンデー!」

 

気づけば。

あの頃と寸分変わらず、アイツは嬉しそうに俺を呼んで。

誰が見ても仲睦まじいというだろう生活を営んでいた。

 

「飽きねぇな」

「サンデーが僕のご飯美味しそうに食べるのが好きだから!」

 

ホント、飽きずに作ること。

普通は疲れたりするんじゃなかろうかと、いつも通りに凝った料理に手を伸ばす。

外食に行くのは本当に時々で、アイツの気まぐれの時だけ。

アイツは根っからの凝り性で、その中でも料理をするのが本当に好きなのだ。

偶には俺が作ろうかと持ちかけたのだが、微妙な表情で断られたので、よっぽどのことがない限り蒸し返さないことにした。

そういや、前世の時に消し炭のカップケーキ出したことあったな…。

 

 

サンデーって不器用なわけじゃないんだと思うんだよな。

DIYとかは器用にこなしてるし。

でも料理だけはなぁ…。

 

(なんか、消し炭を出されそうな気がする)

 

ぼんやりと、漠然とした予感。

それを実際食べさせられたわけじゃないけれど。

別に一緒に料理してもいいんだけど、そうしようとする度に上手く予定が合わないんだよな。

それ以外では合うのに…。

 

「おかえり、サンデー」

「ただいま」

 

今日も働いてきてお疲れなサンデーを出迎える。

基本は在宅仕事な彼だけど、こうして外に出向かなくては行けない時もあるのだ。

 

「ご飯できてるよ」

「分かった」





仲良く暮らしてます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。