僕らにとっては確かにそうであるの。
お父様は神様だ。
それを言えば、有象無象たちは「それだけ悲惨な生育環境から救ってくれた人をそう思うのは分からなくもない」と分かった風な口をきく。
確かに。
あの日自分を救ってくれたお父様に、まるで刷り込みのような信頼と、依存と、信仰を寄せるようになったのは事実だ。
でもそれは、お父様の行いが『そう』させたのではない。
「私が、そう望んだから」
僕らはただ、お父様に救われたいだけではなかった。
その行いで。
その心根で。
その愛で、僕らを見て欲しいのだ。
だから僕らは『それ』を望むのだ。
「……そうかよ」
「うん。だから……ありがとうね」
「何がだよ」
「僕らの為に怒ってくれて」
ニコリと礼を言いながら、内心では「余計なことを言うな」と毒を吐く。
人の弱みに漬け込み、あまつさえ恩を売ろうとするやり方に反吐が出そうだった。
(僕たちが、あれでいいと肯定しているのだから…)
だって神様だから仕方がない。
誰もを平等に救い、愛す。
それが
だから、僕たちが『それ』を望んでも……お父様が『それ』を望まなければ、僕たちの願いは叶いはしないのだ。
「別に、そんなんじゃないよ。ただ……気に食わないだけ」
(ああ、まただ……)
「……うん」
「それに若い子は……僕の子だろうと、他の子だろうと、同じだけ可愛いよ」
「っ……」
神様は不変ではいられない。
人がいて、人生があって、だから色んな人たちが交差することで変化していく世界を愛し。
そして同時に人を愛するんだ。
この世界で初めて僕らを肯定してくれたのは、お父様だ。
だから僕らはお父様が『そう』で在る限り、その愛を疑わないし……。
「……でも」
「うん?」
(それでも……)
僕ら以外を見ないでください。
僕ら以外を、救わないでください。
あなたを嘲る人に、後ろ指さす人に、意識を向けないでください。
僕らはただ、僕らを愛して欲しい。
(例えあなたがどんな最低な人でも)
「僕らは、お父様が大好きだよ」
「うん。ありがとう」
だから、と僕は続ける。
「だから……お父様は、僕らを一番にしてね?」
「え?」
「だって……」
そうしないと、僕らは
そうは言っても。
(また
なお傍目。