(なお先生たるそのウマ娘はスクールから巣立っていった生徒たち以上にバケモノとする)
「…まっっっさかこんなことになるとは」
あ、どうも僕です。シルバーバレットだよ。
人間から馬になって、馬の生をこれ以上までなく堪能したと思ったら今世は『ウマ娘』とかいう存在になっちゃったんだよね…。
ちなみに今の僕はめちゃんこ美少女フェイスである。うふふ…。
と、そんな話は今いい。
「…よし」
前の記憶を持ち越してしまった僕はひとつ心に決めていることがある。
それはなにか?それは…、
「今世こそは!フツーに生きる!」
そう、それに尽きる。
走ることは今も昔も好きだけれど目立つのは嫌だ。
この世界も前の世界と同じように
「ウイニングライブは嫌だ、ウイニングライブは嫌だ…!」
だって恥ずかしいじゃん!無理じゃん!!…という訳で〜、
「バレちゃーん」
「バレちゃんせんせー!」
「はーい!」
フリースクール:アルデバラン、はじめました。
*
アルデバランは俗にいうとトレセン入学前の子を対象にしたトレーニングクラブだ。
でも月謝は貰わずの完全趣味でやっているものだからフリースクールと名持っているだけで。
僕が住んでいるこの町は普通の町と比べるとウマ娘の子たちの数が多く(それも段違いに!)、それならちょっとやってみようかな〜と思った次第なのだ。
「バレちゃーん、きたよー」
「はーい、今日も元気だねー」
放課後になれば今日も子どもたちがやって来る。
「バレちゃん、バレちゃん」と懐いてくる姿は素直に可愛い。
「とーるせんせーもこんにちは!」
「うん、こんにちは」
「先生」
「バレット、ここに要るもの置いておくよ?」
「ありがとうございます」
ちなみにアルデバランは僕ひとりで運営しているわけではない。
共同運営者として騎手くん…、いや今は先生か、がいてくれている。
どうやら先生も僕と同じように前の記憶を持ち越しているようで「バレットがいるところがいい」と僕を見つけたその日にこのスクールの仲間入りを果たしたのだ。
スクールの仲間入りをするにおいて、この町に引っ越してくるぐらいだからその熱意は相当なものだろう。
「じゃあ今日も柔軟からー」
『はーい!』
子どもたちの声を聞いて思わず笑う。
やっぱり元気な子どもはいいなぁ…なんて、今の年齢考えたら爺臭いかw
…だが、この時の僕は知らなかった。
「どこだ…?」
「どこなの…?」
「「シルバーバレット…」」
僕(ウマ娘のすがた):
馬時代の記憶あり。
ふつーに生きたいよォ…ふぇ〜ん、の気持ち。
ウイニングライブ…無理…恥ずかしいもん…でトレセン学園はちょっと…になってる。
でも走ることは好きなのでフリースクール:アルデバランを作った。
近所の子や隣町の子に走り方を教えている。
生徒たちからの愛称は「バレちゃん」「バレちゃんせんせー」。
実は最近、アルデバランの卒業生がめちゃくちゃ活躍してない…?と思っている。
先生:
騎手時代の記憶あり。中央トレセン学園トレーナー→フリー。
僕のことを待ってたら、僕がフリースクール:アルデバランを作ってたので一も二もなくアルデバランに入った。
今では楽しくかつての愛バ(いや今もだけど)と楽しく暮らしている。
実はアルデバランに入るために引っ越してきている。
なお、アルデバランに入るにあたって中央トレセンに辞表を叩きつけている。
G1を勝った担当はいないが勤続年数が長く周りからの信頼も厚いベテラントレーナーであったため、本人は気づいていないが大捜索されている模様。
フリースクール:アルデバランのみなさん:
バレちゃんせんせーと先生だーいすき!
僕本人は気づいていないが全員が全員僕の血筋に連なる者たちである(馬時代の記憶はあったりなかったり思い出したり)。
ちなこのフリースクールを始めるにあたって一番はじめに誘われた生徒はシロガネハイセイコだったりする。