さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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地を這う者は空を見上げることしか許されぬのか。
本当に、星に手は届かぬのか。
無理だ、と笑う者は笑うがいい。
私は、星になる。
誰も届かぬ一等星に。
総てを灼き焦がす、一等の、太陽の如き灼熱に。
笑う者よ、灼かれるがいい。
そして灰となり、我らが踏みしめる、路(みち)の一部となるがいい。



セブンスヘヴン もしくは気楽に復讐を

僕はそこまで人に怒ったりしない。

まぁそもそも怒り方が分からないというのもあるのだが。

けれど、けれども、まぁ…。

 

「どうした」

「いや、何でも?」

 

ぼんやりとしている僕に友人であるサンデーが声をかけてくる。

それに何でもないと手をヒラヒラさせると「そうかよ」と返された。

 

…ずっと、現役を引退してからずっと、考えていることがある。

なぜ、僕らが、"サラ系"が、差別されなければならないんだろうって。

僕らは何も悪いことをしてないのに、血ってそんなに大事なものか?と。

それまでは後指さしてたくせに、たくさん勝つと手のひら返して。

…さすがの僕でもちょっと、ねぇ?

 

「…どうしようかな」

 

僕の値段(レート)はとても低い。

年齢とか体格もまぁ理由には入っているけれど、いちばんの理由は僕が"サラ系"だからで。

…なら、それを利用してやろうか。

 

「どうしようかなぁ」

「…なにがだ?」

「いや、何でもない」

 

*

 

「…どれにしようかな」

 

その考えが頭に浮かんでからの僕は日がな一日中昔のレース映像を漁っていた。

どの人の血を使(・)お(・)う(・)か(・)、なんてことを考えていた。

 

「みんな、貴種流離譚とか好きだものね。

あとは父の無念を息子が叶える〜とか」

 

見定めるためにいろいろと。

いちおういい所の娘(こ)を勧められてもいるのだけど、僕の目的にはそんな良血の娘(こ)は見合わなくて。

 

「できれば古くて、人気で、でも今はあんまり結果が出せてない血が欲しいな…」

 

面白いことがしたい。

世界を全部ひっくり返すような。

あの巌窟王も真っ青になるような、そんなことがしたい。

そのためなら何だって利用してやる。

やりたいように、やってやる。

そのための布石は、現役時代に打っているようなものだ。

 

「…サラ系(ぼく)の価値はまだ低い。

なら、それを最大限に活用して……」

 

さぁ、どうしてやろうか。

 

*

 

あれから、僕の『たのしみ』はさまざまな形を見せてくれた。

仕事は非常に多くて疲れるものであったけれど、この様(さま)を見せてくれるというのならその疲れも嬉しいもので。

 

「父さん、勝ちましたよ!」

「あぁ、見てたよ。おめでとう」

 

今日も、何人目か分からない子どもが勝ったと僕に報告してくる。

これで誰が何回勝ったんだったか、今度は家に何が贈られてくるやら。

家の敷地に入り切らなくなりそうなほど贈られてくるものに戦々恐々としながら嬉しくなるのも事実。

過去の亡霊(クソ)どもを嗤っているのも、事実。

 

「ねぇ、どんな気持ちです?」

 

虐げたモノにやり返されて。

 

「……なぁんて、ね?」





外からやって来た人たちには分からない歪みってあるよね。

僕:
気楽な復讐者。ウマでありながらウマではない者。
本人は面白いからという理由でやっていることだがその本心では少しばかりの復讐心を持っている。でも恨んでるというわけではない。
けど、どうして"サラ系"がここまで虐げられなければならなかったのか、と手のひら返ししてくる人々を見て思ってたり…。
ちな時々、信頼している人の前限定で心の内の闇がまろびでる模様。

SSなどを含む外国系の人々:
僕のバックボーンについてはなにも知らない。
基本的に僕を気のいい兄ちゃんだと思っているがふとした時に見せる闇に何かしら察してたりしてもいい。
たぶんこのメンツの中でいちばん僕の闇の部分を見ているのはマブダチであるSSなんでしょうけど…。
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