誰が見ても危なっかしい…。
シルバープレアーは他人にさして興味がない。
長い現役生活のため多くの世代のウマから慕われてはいるが…。
「よ」
「久しぶり、ジャーニー」
会いに来てくれた親友-ドリームジャーニーに笑いかける。
その笑顔ですら周りに向けられることはほとんどないだろう。
ドリームジャーニー以外にはあのウマと血縁含む関係者にしか向けられない笑みは。
今もそうだ。
……どうにも他の相手に心を開くことを無意識の内にやめてしまっているらしい。
当人は何も起こってないから気にしてないと言うが、周囲にいる者たちをヤキモキさせているのは事実だろう。
シルバープレアー含めあの一族は他人を惹きつける体質だ。
それに自覚があればまだ良かったのだが、本人どころか周りもそんなことは認識していない。
元々自分の懐に他人をそう易々と入れようとはしないウマだ。
今は落ち着いてはいるが、その分周りが増長しているようにも見受けられる。
ドリームジャーニーが思わず確認してしまうほどには。
まぁチームメンバーがそれとなく守っているらしいと聞くから問題はないだろう。
……これ以上は他人が首を突っ込む領域ではないな。
引退している間に何やら警戒対象が増えた気もするが、それはそれだ。
……しかしあの一族は相変わらずだ。
ドリームジャーニーがよく知るのはシルバープレアーの父である彼ぐらいのものだが、毎度毎度己が父が頭を悩ませていたのを見るに、その性質はどうにかならないものか。か
……あの一族のウマは皆そうだと言ってしまえばそれまでだが、それにしたってな?
何だか知る人知る人───あの一族に関わる者は皆変わらぬ様子に頭を抱えていた。
そんな様子を見てドリームジャーニーが苦笑していたのも懐かしい。
まぁそれはともかくとしてだ。
「お前、まだ引退しないのか?」
「まだ走れるからねぇ」
よくあれだけ走って怪我の一つもないものだと呆れてしまうくらいのタフネス。
知れば多くのウマが羨ましがるだろうに。
……まぁ、その体質のせいでめちゃくちゃ走っているが。
それでも走ることをやめられないのは、やはりウマだからだろう。
そんなシルバープレアーにドリームジャーニーは一つ提案をする。
それは────。
「今度ウチの娘と会ってくれないか?」
「気が早くない?」
「誰に似たのが気が強くてな。同年代の奴らは軒並み泣かせるんだ」
「さすがジャーニーの子どもだね」
「どういう意味だ?」
「気にしないで。…でも僕あんまりかっこよくないと思うんだけど」
「いーや俺の子だから確実に大丈夫だ」
「ほんとぉ?」
なおそれはそれとして。