さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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"彼"の仔だから見てもらえる、なんて大間違いだからな?


"神"のために、(おど)るは我ら

天上におわす"神"のごときヒトだと思う。

それが子どもたちの総意であった。

偉大なる父、その名を───シルバーバレット。

 

「キミたちが生まれてきてくれたのが僕にとっての何よりの幸せ」

 

そう言って、腕を広げ自分たちを受け入れる彼の体はあたたかい。

だが、ひどく虚像に見えた。

温度の無い目で、必死にロボットが人間のフリをしているような心地。

「愛している」とのたまいながら、本当は自分たちなど見てないだろうと糾弾する精神がうるさい。

 

天上におわす御主(おんあるじ)にとって自分たち(我ら)は、ただの舞台上で(おど)る役者にしか過ぎないのだろう。

観客席で無感情に手を叩くシルバーバレット(かれ)のために哀れに踊る道化が自分たち(我ら)だ。

 

「…見てくれないなら、()んでほしい」

 

そうぼそりと告げたのは、誰であったか。

いちばん初めに見出された長兄であったか、それとも後の弟妹の誰かであったか、それとも、それとも…いつかの自分であったか。

 

「……強いねぇ」

 

レース場で、無感動につぶやく彼をちらりと見やる。

彼にとってはこの勝利も、当たり前のものなのだろう。

自分の血を別けた仔なのだから、当たり前だと。

細められた目から薄らと黒黒とした眼が見える。

 

「…帰ろっか」

 

ふらりと立ち上がった体はひどく薄い。

しかしその体に渦巻くチカラは、どうにも。

産み出されたものが、創造主に敵うなどという筋書き(ストーリー)は妄想の中だけだ。

だって自分たち(我ら)は超えられなかった。

目の前にいる御主(おんあるじ)を。

 

…けれど、だけども。

どうしようもなく、彼の手によって産み出された自分たち(我ら)は、彼の目に映りたかった。

1ミクロンでもいいから、見てもらいたかった。

自分以外の兄弟(うぞうむぞう)に向けられているようなありふれた感情(もの)ではなく、自分だけに向けられる感情(もの)を、欲した。

彼が獲れなかったレースを獲った。たくさん、たくさん。

彼の眼だけが欲しくて。他の者なぞ眼中にもない。

自分だけを見て、と叫ぶ精神はまるで聞き分けのない子どものよう。

その事実にもはや、笑うしかない。

でも、抱えていかなければいけないものだ。

だってコレも、『自分』であるのだから。

彼に見てもらいたいと叫ぶ、本音(じぶん)なのだから。

 

「……ねぇ、」

 

呼びかければゆるく首を傾げて振り返る(かれ)

ぼんやりとした瞳は今日も自分を見ていない。

それに、憎しみからはじまるその他諸々の感情を抱きながらも、

 

「愛してます」

 

…嗚呼、なんて救いようのない!





偉大なる"()"に、畏敬を。

産駒たち:
揃いも揃ってシルバーバレット(じっぷ)にクソ重感情。
自分を見てくれないなら()んでくれ…、なんて。
シルバーバレット(じっぷ)のことが大好きだがそれはそれとして憎しみ()も持っている。
しかしいつも最悪(最高)のタイミングでシルバーバレット(じっぷ)の父から仔への情を見せられるため嫌うに嫌えなくなってるし、憎めない。そういうわけで情見せ回が起こるたびに産駒たちは情緒をぐちゃぐちゃにされている。
また、シルバーバレット(じっぷ)を超えることができたら見てもらえるんだろうな…と察しながらも超えられない自分に鬱屈としてたり…?
なお予後るのはシルバーバレット(じっぷ)のトラウマ(置いていかれる)を刺激するため必死で回避している模様。

僕:
産駒たちに"神"扱いされている系パッパ。
ヒトミミには優しいが同族にはほぼほぼ『無』なタイプの御方。
誰も見てないマインドがひどい。唯一見てるのは白峰トレーナー(せんせい)だけ。次点でマブのSS。マス太がいる世界だったらマス太も追加。
よく子どもの前で『キミらと先生どっちかしか助けられないって言われたら僕は先生を選ぶから自力でどうにかしろ』やら『(優先順位は)先生が一番、キミたちは二番』とかよく言ってる。
だってキミたち、僕が助けなくても自分で何とかできるでしょう?(一切の曇りなき信頼のまなざし)
ちなそれ(先生が一番大切)自体については産駒たちも納得してるので特段問題はない。
だって白峰トレーナー(せんせい)も同じことよく言うし。

けれど、…産駒たち(かれら)はただ、ただ、たった一度だけでいいから、僕の眼に映りたいだけなのです。

なお史実、元性別軸ともに産駒たちに目をかけているのは自分の血を別けた仔(かぞく)だと分かっているからであって、そうじゃなかったら興味のkの字もない模様。
まぁそれこそが銀弾(おまえ)ホント銀弾(おまえ)…!たる所以だなって…、ハイ。

実は過去、SSに飯作りに行き過ぎてたせいでSS産駒たちにお手伝いさんだと思われてたことがある。


SS:
銀弾産駒たちからの視線が熱い。
休日になると基本銀弾が遊びやら食事やらに誘いに来る。
遊ばなくても結構な頻度で飯作って帰られる。
銀弾との関係はお互い頼み事をされたら、その頼み事の要件が何であれ二つ返事で了承するくらいの仲。
また、銀弾とふたりで子どもたちのレース観戦(現地)してる時に銀弾がにこやかにファンと交流してたらちょっと不機嫌になってる、かも…?
そんくらいの仲良し。

実は秘密裏に銀弾産駒たちに向けて勝ち誇った笑みを浮かべている時がある。本気か、からかいかは…?
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