さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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自分を選んでくれたと思ったのに!



たぶん修羅場になる

「……案外モテるもんだなぁ、僕」

 

ぽつりと呟く。

今世はウマ娘として産まれた僕は、他のちゃんとウマ息子として生まれている知り合いたちと"継承"して子どもを成した。

僕の母は世界中見てもいないくらいの優秀な繁殖ウマ娘であり、今回ウマ娘として生まれた僕もあの母の子ということで、可能性はある。

戦績もいつもと変わらずなので…まぁ。

 

「うんうん。すぐ行くよー」

 

自分を呼ぶ我が子たちに返事をして、荷物を片付ける。

さて、ここから僕の新しい物語が始まろうとしてるぞー。

 

「さってとー。荷解きは粗方終わったし、ご飯だね〜」

 

よっこいしょと立って、そそくさとご飯を作る。

やさしい我が子たちは自分から手伝いを申し出てくれ、僕はそれをありがたく受け、ご飯作りを進めていく。

……うん。

やっぱりみんなで食べるご飯って美味しいね!

 

「「「ごちそうさまでした!」」」

 

手を合わせて、食後の挨拶をみんなでして。

 

「さてと、じゃあお風呂にしよっか」

『はーい!』

 

みんなを連れてお風呂に入る。

……あ、そうそう。

この家はおじいちゃんに選んでもらったんだ。

僕ひとりならもっと小さな家でよかったんだけど、『これからも"継承"するつもりなンでしょ?』とさすが我が祖父といわんばかりの察しの良さに断ることなんてできず。

 

『お母さんの体洗う〜!』

「ありがとう」

 

……なんか我が子にめっちゃ世話を焼かれるんだよな。

そういや"継承"のもう片方になってくれた彼らも何だかんだと世話を焼いてくれたような。

 

「背中洗ってくれる?」

『うん!任せて!』

 

丁寧に背中を洗ってくれる我が子にお礼を言いながら、僕は「前は洗うよ〜」と伝える。

母子だから一緒にお風呂に入っても問題ないんだけど……。

 

「ほら、早くあがろうね。のぼせちゃうからね」

 

 

「よォ、」

「こんにちは、サンデー」

 

それはそうと。

何度居場所を変えても見つけてくる奴もいる。

何度生まれ変わっても親友となるサンデーサイレンスがその唯一だ。

 

「相変わらず愛されてんな」

「嬉しいことにね」

 

やさしく頬を撫でられるのに、微笑む。

……こんなに穏やかな日がくるなんて、誰が想像できただろう。

 

「とりあえず家に入っていいか?」

「うん」

 

手を差し出してくれる親友に甘えて手を取って歩き出す。

 

「よく見つけられたね」

「まぁ…俺はお前の親友だしな」

「家族にも言ってないのに」

「親友だからな」

「……それで言いくるめようとしてる?」

 

くすくすと笑うとぎゅうと手を握られる。

 

(変わらないなぁ…)





なお当の本人。
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