光り輝いたまま!
はじめは"あの"ステイゴールドがいっとう大事にしている後輩だという認識しかなかった。
そしてその次に、あの『芦毛の怪物』と"かのウマ"の全妹との間に生まれた注目されるしかない存在だということがすぐに耳に入った。
それから三年間。
シルバーチャンプは、人々の知る限りにおいて最高の『芦毛の怪物』の後継者と目されるような戦績を叩きだした。
戦績はOP戦での落鉄の結果の着外とあの凱旋門でのハナ差の二着以外は負け無し。
その下のきょうだい達や親族たちだってクラシックは勝つわ、海外も勝つわ、果てはオリンピックに出るだとか、話題に事欠かない。
その中でも、あまりにも強い、あまりにも特別すぎる極光。
そしてそんな光に引けをとらないほどの原石が───。
「…どうして」
そしてそれは、自分だと。
そう、思っていたのだ。
あのメイクデビューまでは。
*
大歓声がレース場に響き渡る中。
私は呆然とした表情でターフビジョンを見つめていた。
……負けた?
いや……違う。
これは私の負けではない。
"アレ"はウマじゃない。
歓声をあげる観客に向け、にこやかに手を振る"バケモノ"を見やる。
あぁ、このたったの数分で何人の心が折られただろう。
それほどまでに、それほどまでに。
(違い、すぎる)
あの人に憧れたのは私も同じなのに。
同じ父の血を継いでいるのに。
私が辿り着いたのは2着だった。
"バケモノ"に箸にも棒にもかからない…。
(これじゃ)
一瞬、私の方が速いかもしれないなんて考えたのすらおこがましい。
むしろ、あんなモノと私を比べたこと自体が間違っていたのだ。
"バケモノに……勝てるわけなんか……。
でも。
それでも。
(あぁ、)
なんて、綺麗。
・
・
・
そのメイクデビューを見て、『アイツの子どもらしいなぁ』と思った。
1着も2着もアイツの子どもで、3着以下をぶっ飛ばし。
ふたり揃ってメイクデビューに出てくるにはふざけてる速さしてると来たもんだ。
2着の方は今日の距離が長かったんだろうなと思うと同時に、それでアレかと変な笑いが出そうになるが。
「まァたバケモンみてーなガキ出しやがって」
そう言うとアイツ自身はそんなことないと言い張るんだろうが。
「このまま行くとアイツのガキみんなアイツの末脚だとか根性だとか受け継ぐんじゃねぇか?」
かの"芦毛の怪物"から受け継ぎ強化したものを。
また、次代に。
「…寒気がしそうだ」
それと同時に。
「お前、どこまで行くんだろうな」
お前自身はもうどこにも、
この2着の子も後々短距離メインの短マイル路線で猛威を振るう模様。