さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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愛してる。



焼き付くまでに

グローリーゴアはサンデースクラッパのことを愛している。

それは何度生まれ変わっても同じことであり、もはや魂に刻まれているといっても過言ではないほどだ。

華奢で、ふわふわしていて、それでいて何よりも強い。

人並外れているはずのグローリーゴアが必死に手を伸ばしてやっと捕まえられたのだから。

しかしそんなサンデースクラッパも、グローリーゴアの愛の重さにそろそろ落ち着くことはないんだろうかなんて。

自分を愛してくれるのは嬉しいけれど、その分周りを牽制しすぎているのだ。

「僕はキミのモノだよ」と安心させようにも「何を当然なことを」ときょとんとされてしまう。

たくさんの人に愛されて、みんなを愛せる、そんなサンデースクラッパを誰よりも一番に愛するのは自分なんだとグローリーゴアは断言する。

 

「…本当に僕のことが好きだね」

「何度生まれ変わったってキミは僕のモノだよ」

「はいはい」

 

あの日出会わなければ。

彼を歪めてしまうこともなかったんだろうか。

サンデースクラッパがそう考えるのも無理はない。

なにせグローリーゴアはどの世界においたって無敗三冠を獲るし、その後の仕事の成績だって変わらない。

けど…、サンデースクラッパがいなければもっともっと────いい生涯を送れたんじゃないかって。

サンデースクラッパがいなければ、彼はもっと自由に、もっと気ままに、もっと満たされて。

 

「サンデー」

「ん?……っ!」

 

グローリーゴアの呼びかけに応えるように振り向いたサンデースクラッパに…。

突然のことに驚いたのか、それともただ単に嬉しかったのか。

サンデースクラッパは目をまん丸にさせてからゆっくりと瞼を伏せるのだった。

「好きだよ」と耳元で囁かれた言葉に「知ってる」と返す。

そんな日常がとても幸せだと思いながら後悔は拭えなくて。

それでも自分から離せないと知っているから。

サンデースクラッパは今日も、グローリーゴアに愛される。

 

『キミは僕のモノだよ』

 

 

変なことを考えるなぁとグローリーゴアは思う。

この僕が手に入れたものを手放すわけがないのに。

それに誰がどう見てもキミが僕にベタ惚れなのは分かりきっているし、キミは僕にしか興味が無いのだから、ねぇ?

キミを誰に渡すつもりもない。

この身が朽ちるまで、いや、朽ちたとしても。

サンデースクラッパは僕だけのものだ。

あぁなんて幸せなんだろうかとグローリーゴアは思うのだ。

あの日出会わなければ今とは違う未来があったのだろうかなんて馬鹿げてる。

違う出会い方であっても隣にいるのはきっとキミ以外にいないのだから。

もうすでに運命なんだから"運命的な出会い"なんて必要ないだろ?

言葉にせずとも「大好きだ」と愛おしそうな表情を浮かべるサンデースクラッパに「……僕も」と囁くように返せば。





何度生まれ変わっても変わらぬこと。
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