さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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後輩には何だかんだ優しい主人公さん。
今回はオリジナルウマ娘がたくさんいます。


◆何だか話しかけられる

「こんにちは」

「…ああ、こんにちは」

 

声をかけられ、顔を上げるとそこには芦毛の美しいウマ娘がいた。

「おとなり、よろしいでしょうか?」と問う声に頷くことで答える。

 

「ここ、静かで、いい場所ですね」

「…うん」

「私、シルフィード。メジロシルフィードと申します」

「僕は、シルバーバレット」

「存じ上げております」

「そう」

 

美しい彼女は口に手を当ててクスクスと笑った。

左耳に付けられている白いレースのリボンが風に揺られていた。

 

「シルバーチャンプ先輩からよくよく話を聞いていますから」

「?」

「ふふ」

 

会話と言えど、静かだなと思った。

隣に座る彼女が誰かを待っているような気がして、「誰か待っているの」と問えば「はい」と微笑まれる。

 

「同室のプライドシンボリさんを」

「ふぅん」

「あの方、学級委員ですから忙しいんです」

「そう」

「併走する約束をしていますし、私が誰かと走っているのを見るとあの人、怒ってしまうんです」

 

クスクスと笑う彼女を横目で見ながら、早くその"プライドシンボリさん"とやらが来てくれないだろうかと思案する。

そして数分待っていると、

 

「シルフィード、待たせたか」

「いいえ、プライド」

 

黒鹿毛の美丈夫と連れ添って去っていった。

…何故かその美丈夫から睨まれたような気がするのは気のせいだろうか。

「後ろ、失礼いたします!」

「うわっ!?」

 

ベンチで本を読んでいると突然の大きい声。

驚いた心臓を押さえ、後ろを振り向くと栗毛の元気そうなウマ娘がいた。

 

「ハッハッハ、何とかプライドくんから逃げきれましたね!」

「…キミは、」

「ハッ、先程はありがとうございました。小生はサクラスタンピードと申します!」

 

サクラスタンピードと名乗った彼女はそれだけで「あ、この子暑苦しいタイプだな」と感じた。

「お隣よろしいでしょうか!」と言うのに思わず気圧され頷いてしまう。

 

「シルバーチャンプ先輩から噂はかねがね聞いておりました!」

「はぁ…」

 

シルバーチャンプって誰だろう。

この前のメジロシルフィードからもその名前を出されたけれど。

 

「…キミ、何だ、その、プライドくんとやらに追いかけられるって何したんだ」

「ハッハッハ、それがですね!お恥ずかしいことなのですが走りたい気持ちを抑えることができず、近くにあった本に足が当たりましてね!それが窓を割ったところを学級委員であるプライドくんに見られてしまいまして…」

「そう…」

 

何か、問題児っぽさそうだな、この子。

「早く謝った方がいいと思うよ」とアドバイスする僕なのであった。




僕:人の名前を基本覚えないので誰が誰か分かってない。
シルバーチャンプ?誰それ?状態(なおシルバーチャンプは史実での甥っ子である)。

メジロシルフィード:史実では母父メジロマックイーン、父シルバーチャンプの牝馬。芦毛。
ゴールドシップに容姿がよく似ている。
おっとりとしているところはブライト似で口調はアルダン寄り。
ステイヤーであり、菊花賞馬。面白いことが好き。
脚質は逃げ・追込み。
史実ではプライドシンボリの天敵であり、初恋の馬だった。
なお海外戦で予後不良により死亡している。

プライドシンボリ:母父シリウスシンボリ、父シルバーチャンプの牡馬。黒鹿毛。体格がいい。
無敗の二冠馬だったところをメジロシルフィードに負けた。
なお最後までメジロシルフィードにだけは勝てなかった。
史実よりメジロシルフィードに惚れていたため、ウマ娘時空でもメジロシルフィードに対しては独占欲が強い。
性格はストイックなトレーニング狂。そして寡黙なウマ娘。

サクラスタンピード:母父サクラバクシンオー、父シルバーチャンプの牡馬。栗毛。
とてつもなく元気がよく、いい意味での気性難。
実質メイ○イエール。
脚質は逃げであり、スタミナが持つところまでガンガン飛ばしていく。
展開さえ合えば長距離でも行けたので距離適性的には無限の可能性を持っていた。

シルバーチャンプ:今回は登場していないウマ娘。父オグリキャップ。
史実では僕の甥っ子。ちなみに黄金世代。
僕によく似て脚が悪く、なかなか結果を出せなかった。
エルコンドルパサーの帯同馬として凱旋門賞に出走し、その後屈腱炎にて引退。
引退後は父内国産馬として猛威を奮い、産駒が彼の無念を晴らすように海外を荒らし回った。

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