さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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無垢に、真っ白に。



愛している

「僕のこと、ずっとずっと覚えていてね」

 

そう言うと、キミは泣きそうな顔をした。

いや、実は本当に泣いていたのかもしれない。

普段は周りの人誰もが認める完璧なウマであったけれど、僕と二人きりでいる時だけは、まるで子どもみたいにワガママで、泣き虫なウマだった。

キミのそんな一面を知っているのは、きっと世界で僕一人だけ。

だから、僕はキミの涙を見て見ぬふりをした。

キミが笑顔でいてくれるなら、僕はどんな事だってする。

キミの笑顔のためなら、なんだってできるんだ。

キミが笑ってくれるなら、僕はなんだってできるんだ。

キミの笑顔が僕の全てだ。

だから、キミの笑顔を守る為なら、僕はなんだってする。

それが、僕の愛だ。

でも───。

 

*

 

そうして寿命を全うして、生まれ変わった。

はじめは驚いたけれど、前では会えなかった一番上の兄弟にも会えて、それはそれは可愛がられることになったから、はじめの困惑もいつしか呑み込んでいた。

何の欠けもない、ありふれた幸せな日常。

でも、そんな日々の中でどうしても拭えない違和感があった。

それは───。

 

「……」

 

テレビの中キミはいつだって、寂しそうな顔をしていた。

僕はキミの笑顔が見たくて、キミが出るのならどんな番組だって雑誌だって見たし、買った。

けれど、キミが笑顔になることはなかった。

キミの笑顔を見るためならば、なんだってできる。

だから、僕はキミに笑ってもらうために、なんだってすると決めたんだ。

それが、僕の愛だ。

とはいえ、

 

(曲がりなりにもただの学生なんだよなぁ…)

 

多少お金の溜まった社会人ならいざ知らず。

現代日本、そこのいち学生。

それからきっと、年齢制限ってものもあるんだろうし。

別に禁止って意味じゃなくて……年齢がさぁ……みたいなさぁ……。

前世では合法だったが今世じゃ〜で、合法だったけど今世じゃ〜かもしれないようなところとかな〜〜〜!!

そんなぬるめのことしかわからないわけで!

だって全部任せてたんだもん!

 

 

「グローリー、優秀だったから…」

 

僕の前ではアレだっただけで。

文武両道で頭もキレまくってたし。

知らぬ間に僕と一緒に暮らせるような手配なんて、あの子にとっちゃあ、朝飯前っていう話だったんだろう。

にしても、

 

「会いに行くのもなぁ」

 

相変わらずグローリーってば人気者だし。

スターって、ああいうのを言うんだろうね。

 

「でも、今生は走るつもり、ないものねぇ」

 

あれだけ走ったら、今回は休んでもいいかな?なんて…ね?





けど、ね?
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