さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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にぶにぶ…。



にぶにぶ…

僕には恋人がいる。

恋人の方から告白してきた時には冗談だろう?と引き攣った笑いでかわしたが、その後も何度となく二人きりになるたびに告白されてはさすがの僕も年貢の納め時というもの。

がしかし、

 

(人気者だなァ)

 

彼女は人気者だった。

そりゃあG1ウマ娘たるもの、ぬいぐるみだのなんだの出るわけで、それでいて彼女自身の容姿もいいときたら人気が出ないわけがない。

だからこそ、こんなぽっと出の野郎なんかに……と思ってしまう訳でして。

今だってほら、理想的なファン対応をしている。

 

(僕なんかが釣り合わないよなァ)

 

どこかやるせなくて遠くの空を眺めたりしていると、声をかけられた。

相手もウマ娘のようであるが、僕たちよりも大人らしい。

これは…なんなんだろう?ナンパかなぁ?僕のことナンパするなんて物好きだなぁとぼんやりしていると、 そのウマ娘は僕の腕を掴んで そのままどこかへと連れていかれた。

 

(え?え?)

 

困惑している僕を他所に、そのウマ娘はどんどん進んでいく。

 

(あ〜れ〜)

 

そして見知らぬ寂れた建物に入ろうとしたところで、

 

「バレット!」

 

恋人が息を切らして僕の腕を引っ掴んだ。

そうすると大人のウマ娘はチッと舌打ちして早々と逃亡…。

 

「そんなに焦らなくても」

 

力強く抱きしめてくる相手に苦笑しながらポンポンと撫でてやる。

大丈夫、大丈夫だから。

君が心配することじゃないよ、と伝えるように。

すると相手も落ち着いたようで、そのまま僕を抱き抱えたまま学園へと戻るのであった。

 

(……あれ?これお姫様抱っこってヤツでは……?)

 

まあでも、これはこれで悪くないか……なんて思いながら、僕はその心地良さに身を委ねるのだった……。

 

─────結局あの後、僕はこっぴどく叱られた。

あの後?

そうだね……うん、お説教は長かったよ?

もう勘弁してくれってぐらいには色々な人に怒られた。

中でもフォーちゃんに泣かれたのは辛かったなぁ…。

次からは気をつけるって約束したらお説教は終わったけどね!

でも、

 

「GPSつけるのはやりすぎじゃない?」

「やりすぎじゃない」

「え〜」

「元から危なっかしいとは思っていたがこれほどまでとは」

 

恋人がすごくすごい過保護になっちゃった。

この距離の近さ、もうただの友だちとは呼べないくらいだよ?

バレてもいいの?と聞けば「バレても守りきる」となんともイケメンな答えが。

 

「おおう」

「惚れ直した?」

「……えいっ」

 

ピッとデコピンする。

…なんか調子に乗られるとやばい気がしたんだよな。





危険が危ない!!!!
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