なんでこんなにも人が集まるんだろ…してるんだよね。
シルバーバレットは家族と数少ない信用する相手以外を除いて素っ気ない。
それには幼い頃から向けられていた蔑視の視線やらが関係したりするのだが。
「……まぁ、仕方ないか」
チームである以上、新しいメンバーが入ってくる。
それに少し不機嫌になりながらもどう足掻いたって自分がリーダーなのだからと前向きに考えることにした。
「バレット、入るよ」
「はい」
そうしているとシルバーバレットのトレーナーであり、チームの主任でもある男がドアの向こうから声をかけてくる。
それに短く了承すれば男先頭でそれなりにゾロゾロと新入生が入ってきた。
「……意外と多いね」
「テストしなくちゃいけないぐらいにはね」
思った以上の人数に驚けば男がそれを当然とでもいうように言葉を返してきたのでそんなに熱心に勧誘してたのかななんて。
*
トレーナーである男-白峰が担当するウマ娘──シルバーバレットは自分の人気ぶりに疎い。
「僕なんか好きな人いない」とかは日常茶飯事で、彼女のいるチームに入りたいという生徒が数多くいるなんて知らないのだ。
それに純粋に走ることが好きで、コミュニケーションが不得手なのも起因するのかもしれない。
そうは言っても最低限の試験というものはあるわけで。
チームの主任トレーナーとして軽く説明しなければいけないということもあったりする。
(けど……前途多難だなぁ)
目の前にいる新入生たちみんな、目がギラギラとしている。
他のチームに入るための試験であったのならこうはならないだろうと思ってしまう程度には彼女たちの熱意がシルバーバレットただひとりに向けられているのは分かり切っているからだ。
その辺含めての注意事項やらをしっかりと教えなくてはと思うものの……。
(まぁ、メンバーに正式採用されてからでいっか)
そう考えつつ、説明を始めた。
*
チームに入るための試験は至ってシンプルだ。
コースを何人かに分けて走るだけ。
ただそのタイムと走り方で合否が決まるというだけであり……それだけなのだが……。
(この娘たちってリギルとかスピカにいても遜色ない子たちだよなぁ)
新入生にしては完成されすぎている生徒たちに内心感嘆するが。
(それでもなぁ…人数絞らなくちゃいけないんだよなぁ)
引き入れられるならみんな引き入れたいのは山々だけれど。
そんなことしたら他のチームから総スカンを食らうわやらなんやらで目も当てられなくなるのは必至。
なので厳しくふるいにかけないといけないのは心苦しいが仕方ないだろう。
「贅沢な悩みだよねぇ、我ながら」
譲れるのならリーダーの座を譲ってもいいと思ってるけどその座を誰も受け取ってくれないんだよね…。