…なるのかな?
案外俺を尊敬してくれる後輩は多い。
プライドシンボリ、メジロシルフィード、サクラスタンピード、クロスグレイ、シルバープレアー…等が世間でもよく知られている俺を尊敬している後輩だが。
『先輩』
「…うん」
いま俺の目の前にいる後輩は先程あげた彼女たち以上にもっと、俺を尊敬している。
いや、尊敬というよりも信奉に近いというべきか。
初対面の時から感激のあまり泣かれるなんていつものことで。
俺のファンだと言って、サインを求めてくる子なんて数えきれない。
そして、そんな後輩たちの中で……
一番に俺へ憧れを打ち明けてきたのが、彼女だった。
彼女の世代には、彼女以外にも彼女の血縁が何人かいて、その全てが俺を尊敬している。
その熱量はあのステイゴールド先輩から「気をつけろ」と忠告されるほどで、俺はその忠告を真摯に受け止め、彼女へ接してきた。
その結果、彼女は俺への憧れをより強くし。
そしてその憧れが、恋慕に近しいモノへと変わってしまった…ようにみえる。
そう、彼女は俺のファンであると同時に、俺へそんな感情を抱いている。
が、彼女はそれを明確にしたことはない。
ただ、俺が珍しくそれを察しただけだ。
いちおう勉学の成績では優等生で通っている俺だが、こと恋愛に関しては……その、あまり得意ではない。
だから俺は彼女の気持ちには気づいているが、それをどう対応していいのか分からない。
いや、そもそもこれは俺が対応していい問題なのかもわかっていないのだ。
(どうすればいいのかね)
そんな俺の気持ちに彼女は気づいているのかいないのか。
関わりが増えるごとに彼女は俺への憧れをより強めたようで。
そしてそれは、彼女を尊敬する後輩たちへ受け継がれ。
そして今も、俺への憧れは留まることを知らない。
本当に、彼女たちが俺を尊敬してくれているのは嬉しいけれど……。
それと同時に、対応に困る感情を抱かせていることには……困ってしまう。
あと一か月もすれば春休みとなり、俺はこの学園を卒業という形で離れる。
そんな後輩たちへ向ける俺の言葉は、もう決まっていた。
「これからの活躍、楽しみにしてるよ」
*
「お前…」
「すぐ俺のことなんか忘れるでしょう?俺なんかただの学生時代の憧れなだけなんですから」
心底そう思っているという顔で不思議そうに俺を見る後輩に呆れの息をつく。
コイツ、あんなに忠告してたのに随分とまあ…あんな数の信者増やしやがって。
相変わらずコイツは自分に向けられる感情を軽んじてやがるし。
「はぁ…」
思い出になんてなれるんですかね????
それはそうとロブチェンがんばえ〜。