さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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元性別の話。


マブと観戦する話

「ふぇ〜ん、へっへっへ〜ん…!」

「…どういう感情なんだ、ソレは」

「……子どもが勝って嬉しいけど勝ち過ぎて怖い気持ちの時の感情だよ」

「ソレ、言う相手気をつけないと殴られるぞ」

「分かってるよ」

 

今日も今日とて、マブダチであるサンデーと子どもたちが出ているレースを現地観戦中。

ふたり揃って変装をして観戦していたのだが、

 

『あ、あの!シルバーバレットさんですか!?』

「んっ!?」

『ふぁ、ファンです!サインください!!!!』

「ハイッ!」

 

すごい勢いで頭下げられたらそりゃ(サイン書かなきゃマズ)そうだよね。

そういうわけで常時仕込んであるサインペンを懐から取り出してキュッキュキュッキュとサインしていく。

 

「…え、服とか帽子とかに書いていいんですか?」

『いいです!家宝にします!!』

「そ、そっかぁ…」

 

家宝にするんだ…、なんて思いながら次から次へと増えていく僕のファン+αをさばいていく。

なお+αは僕の子どもたちのファンらしい。

そこからさかのぼって彼らの父である僕のサインをもらっておこうというわけなのだという。

まぁ、自分で言うのもなんだけど僕ってそれなりに強い選手だったからね。

 

「ふ〜。や、やっと、終わった〜…」

「…おけーり」

「あ、ありがとうサンデー」

 

もともと座っていた席に戻るといつの間にやら買ってきていたらしい飲み物を渡してくれるサンデー。

それに礼を言って口をつけるも、

 

「…なんか、僕機嫌損ねること、した?」

「は?……あ、いや」

 

しかめっ面のサンデーにそう聞く。

するとすぐに取り繕おうとした彼だけど、

 

「また、放置しててごめんね。…次からはひとりで観戦するよ」

「や、ちが……大丈夫だって!」

 

また怒らせちゃったなぁ。

前も同じようなことして苦言を呈されたばかりだったじゃないか。

そうぐるぐると考え込んでいると、

 

「話聞け!」

「うおっ!?」

 

ガッと肩を掴まれる。

 

「誰も嫌だなんて言ってねぇだろうが…!」

「え。い、いや、でも、毎回迷惑かけてるし…」

「俺がそれでイイって言ってんだよ!!」

 

必死で言い募ってくるサンデーとそれにしどろもどろな僕。

いったいどこの痴話喧嘩だと思わなくもないが…。

そんなこんなで今回もレース観戦にひとりで行く行かない論争は、いつもと同じ結果となったのだった。

 

「はえ…」

「お、またお前の子勝ってんな」

「あ゛〜、うあ゛〜!……ガクッ」

「…また気絶しやがった」

『あ、恒例の銀弾放心だ』パシャパシャ

『また魂出とるやん草』パシャパシャ

「…うっせぇ!散れ!散れッ!!見せモンじゃねェんだぞ!!!!」




僕:
ファンの応対はキチンとする。
引退からだいぶ経っているが未だに人気な選手。
よく『ファンです!』って人に集られながらサインとか書いている。
それはそれとして子が勝つと放心状態になり魂を飛ばす。

SS:
僕とよく遊びに行っている。
僕とマブなのは周知の事実。
ファンの応対から逃げられない僕にちょっとばかし…?
なおファンの応対から帰ってきた僕に飲み物を奢ってあげるくらいには僕に対する好感度がある。
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