もっと食え!!
グローリーゴアというウマは扱いが難しい。
親友である僕が傍にいれば多少はマシになるが、僕が傍にいなければそれはそれは…という。
「……グローリー」
それとなく非難すれば黙殺される。
どこに人を膝に乗っけて仕事する奴がいるというのか。
…ここにいるけど。
ここいら一帯をまとめあげる長であるというのにまったく。
示しがつかないのではないかとか、威厳がとか、そういう話。
でも、そんなのはどうでもいいらしい。
この親友は、僕が傍にいないと本当にダメなのだ。
……それは、僕も同じだからよくわかる。
だからこうしている。
とはいえ僕は、彼の仕事が終わるまでこうしていなければならない。
……いや、まあ、うん。
これはこれで役得だと思ってしまうあたり僕も大概ではあったけれど……。
(……しかし)
この体勢で仕事するのってどうなんだろう?
部屋に来る人、気まずくない?
部屋に入ってきたらみんなが敬愛するボスの膝の上に抱っこされてる僕。
なにか言おうにもグローリーに睨まれたらみんな口を閉ざすしなぁ。
もうちょっと愛想良くしなよとも言ってはいるのだけど。
「スー?」
「はいはい、仕事しようね〜」
僕とグローリーとではだいぶ身長差があるのでこういう時は楽かな。
首痛くならないし。
けど僕がせっつかないと仕事が全然進まなくなるから、面倒だけどちゃんと相手をしてあげないといけない。
やれやれだ。
グローリーは口下手なので誤解されがちだが、仲間思いのいいウマである。
でももうちょい周りに優しくしてもいいんじゃないかな〜と思わなくもないけれど……まあそれはそれかな?
しばらく仕事を手伝って、仕事の手が止まれば宥めすかしたりしてようやく今日の分はひと段落。
やっとか〜と僕も伸びをして。
するとグローリーは僕をひょいと抱き上げて歩き出した。
(あ)
この流れはまずいぞ?と思った時にはもう遅い。
(あわわわわ…)
今日は日がな一日ずっとグローリーと一緒だったからご飯の準備なんてひとつもしていない。
つまりは…、
「そ、そんなに食べられないよぉ」
「…この前の健康診断」
「う」
相変わらず痩せている僕の体は健康のために太らなければいけないらしく。
こうやって時たま「ご飯作ってる時につまみ食いしてたからおなかいっぱい」という嘘か誠か分からない言葉を無視して食べられるところまでグローリー自ら僕に食べさせるという日があるのだ。
「僕のおなか破裂しちゃうってぇ」
「しないしない。…もしかするとあの子たちよりも少食なのかな、スーって」
きょうだいだからね、仕方ないね。