さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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元性別軸の話。
年の離れた妹弟がいたワケだし、行事ごとはそれなりに張り切ってしそうな銀弾パッパ…。


クリスマス

お早いことにもうクリスマスである。

街ではキラキラなイルミネーションがピカピカしている訳であり、小さな子がたくさんいる僕の家ももちろんピカピカイルミネーションしている。

 

「ピカピカしてるなぁ…」

 

リビングから庭を眺めるとトナカイの形をしたイルミネーションが光っていた。

これも今日が終われば仕舞わなくちゃいけないのかぁ…なんて考えながら眺めていると子どもたちから「お父様、ご飯だよ!」と呼ばれて、手を引かれるままに食卓につく。

 

「じゃ、いただきます」

『いただきます!』

 

子どものうちのひとりから「お前らなに飲む〜?」やら、料理を分配したりでワイワイガヤガヤしている子どもたちをBGMにポケ〜と眺めておく。

子どものころは信じられなかった光景だ。

あのころは、クリスマスでのいつもと変わらなかった。

すきま風が吹きすさぶ家で幼い妹を抱き締めて熱を与えてやって。

くぅくぅ鳴る空きっ腹を唾液を飲み込むことで何とかしていた。

 

「父さん」

「…ん、なぁに?」

「父さんはなにを飲みますか?」

「あぁ、」

 

キラキラとしている、幸せな光景に目を細めながら飲み物を選ぶ。

思えば随分と大所帯な家族となったものだ。

 

「…たくさん買ってあるから喧嘩しないでね、みんな」

 

それはそれとして、激しいチキン争奪戦が始まっているのだけど。

 

 

小さな子たちを寝かしつけてから、僕+成人済みの子どもたちで用意していたプレゼントを運びに行く。

昔は僕ひとりだけでひぃこら言いながら運んでいたよなぁと考えながら、そろそろ買い替えなくてはいけなくなってきたサンタの服の裾を握る。

 

「行く場所はみんな分かってるよね?…じゃあかいさーん」

 

僕と同じようにサンタのコスプレをした子どもたちが各々散らばっていく姿が思いのほか面白い。

別に着なくてもいいよ、と昔から言っているのだけど気づけばみんなサンタ服を着用していて、物置部屋のある一部は彼らが着るサンタ服で占領されていたりもする。

 

「クリスマスが今年もやってく…もう来てるな」

 

プレゼントを丁寧に持ちながら小声で歌を口ずさむ。

ちゃんと防寒はしているけれど、安っぽいサンタ服だからちょっと寒い。

 

「…ずびっ、」

 

今日は何時に眠れるかなぁ。

配ったプレゼントを、みんな喜んでくれたらいいのだけど。

そう考えながらえっちらおっちら珍道中する。

 

「今日の僕はサンタさんだからね、いい子にはプレゼントをあげるのだ」

 

僕が配るプレゼントは成人済みの分だ。

もう自分でいろいろ買える歳なのでいいです、と毎年言われるけれど、

 

「僕だって、お父さんだし」

 





僕:
クリスマスのすがた。
妹が幼児期くらいまでは結構極貧生活をしていた模様。
衣食住揃っとけば生きていける生きていける!みたいな思考してそう。
そういう訳でQOLの基準も低い。
意外と行事ごとに対しては張り切るタイプのパッパをしている。

子どもたち:
クリスマス楽しいね!
でも子どもの数が多い分料理だったりプレゼントを配るのが大変だったりする。
ので、大人組がパパである僕を手伝っている。兄姉サンタモード。
それはそれとして大人になっても自分にプレゼントをくれるサンタさん()に『もういい歳だからいいのに…』と思ってたり思ってなかったりする。
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