さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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ふたり一緒であるのなら、()()()()()()堕ちてくれる。
そんなサイッコーにイカれた『運命の相手』と出逢うのは…、もう少し、あとの話。


『運命の相手』と出会うまえ兼救われるまえ、なのでまだ口調が荒い銀弾さん。
『運命の相手』に出逢い、信頼を築けば、徐々に落ち着いていく模様。



『白の寵児』

「よーォ、ンなところで何してんの?かわい子ちゃん♡」

「よォ死に損ないィ。ちょっくら僕のコトを『薄汚い"サラ系"』だッつったノータリン共をタコ殴りにしてきたとこだよ」

「そりゃあそりゃあ」

 

流れ出ていた鼻血を指先で拭った少年がどかりと老人の横に座る。

彼らの周りには誰もいない。

ただ視界の先には分別も何もなされていないゴミが積み上がっているのみである。

 

「ちゃんと()()()かい?」

「まぁまぁだな」

「カーッ!キミは優しいなぁ!」

「そーだよ、僕ァ世間ではお優しい人間で通ってんのさ」

「ぼくがキミぐらいの年頃の時は気に入らねぇヤツは念入りにシバいてたってのになァ」

「シバいたじゃねぇだろアンタのは。いつも血ィ出過ぎて死にかけてンじゃねぇか、相手が」

 

くつくつと笑う老人を少年は胡乱そうな顔で見やる。

 

「キミはなんでそんなに大人しいンだろう。

やっぱ外の血入れたからかな?」

「知らねェ」

「ぼくたちはずーっと一族の奴らだけで交わってたからネ。

時たま大人しいヤツも生まれるには生まれるケド…表面上だけだねアレは」

 

気づけば少年は神妙な顔だ。

 

「ぼくたちはずーっとずーっと昔から、こういうイカれたヤツらばっかりだ。

表面上は大人しいヤツらも気に入らないコトがあったら直ぐに手が出る。

そういうわけで嫁も婿も貰い手が出ねぇもんだからヤることヤってぽこじゃかしてたらこのザマだ」

「僕もそうだって?」

「そうだよ。キミだってぼくらの血を継いでる。

気に入らなけりゃあすべて叩き壊す。

自分だけが世界の中心だと思ってる。

自分に指図するヤツが大っ嫌いで、好き勝手やる。

そこらの有象無象に興味なんてない。そうだろ、ナァ?」

「…」

「今は分かんなくたって、いつか分かる時が来るよォ?

だってホラ、キミはぼくの孫なんだから

───()()()()()()()()

 

 

僕の母方の家系は昔からこの治安の悪い場所に住んでおり、ここら辺一帯を統治するボス役となっているらしい。

今は僕の母であるホワイトリリィがすべてを取り仕切っているが、いつかは僕がここを治めることになるのだろう。

 

「いやァ、お久しぶりですねェ(ぼん)

「…こんにちは」

 

道を歩いていると母方の血縁者に出会う───血塗れの、という注釈がつくが。普段は大人しい人なんだけどな、この人。

どうにも、母方の家系は凄まじいまでの気性難か、表面上は穏やかだが一度気に食わないことを仕出かされるとバーサーカー化して止まらないという二種類の人間しかいないのだ。

まぁ元々治安が悪いここに住んでいる者たちでコミュニティを作った結果の集団だからさもありなんというわけだが。

そんな血筋の中で、僕だけが外からの血縁を持ち込んで生まれた子どもだった。

今のところ、一族の中でもいちばん下の子である僕はみんなから可愛がられている。けれど、

 

「…げっ、『白の愛し子』だ」

 

……遠巻きにされるのはちょっとキツいンだよなぁ。





僕:
シルバーバレット。『白の一族』の寵児。
(それなりに)大人しい性格。
でも親しい人や生まれをバカにされたら(一族の教え通りに)実力行使に出るぞ!
ちゃんと一発もらってから『正当防衛!』と叫んで実力行使するからヘーキヘーキ。


終わりの始まり(せんぞがえり)】:
ホワイトバック。僕の母父。顔に傷痕有の目がイっている芦毛。いつも拘束衣・口籠着用。もしかしたら目隠しも着用しているかもしれない。
戦法はノーモーションの見敵必殺(サーチアンドデストロイ)(ガチ)。ナチュラルボーン暴の者。

実はホワイト系列でいちばんヤバかった御方。もちろん未出走馬。
ホワイト系列のヤベェところが全ツッパされた存在。
常に口籠を着けられてるわ、目に入った動く物すべて(仲間であるホワイト系列の馬は除く)を弄ぶ()わ、柵を軽々と蹴破ってはヒトミミに襲いかかってくるわ…etc.だったウッマ。
その気性の荒さは牧場のヒトミミをもガチ恐れさせ『はよタヒね…!』とすら願われていたがそれを嘲笑うかのようにフツーに30歳くらいまで生きた。
最期の最後まで狂気マシマシの唯我独尊なウッマだったが自分の娘であるホワイトリリィだけは唯一ベッタンベッタンに可愛がっていた模様。
なのでリリィの子である僕・フォーチュン・スクラッパにダダ甘なおじいちゃん。
というわけで、もし、万が一、億が一、生産牧場が僕に行った所業を知った場合には…怖〜。

…だがそれはそれとして、僕の活躍を見ては嬉しそうに愉しそうに狂ったように大爆笑しているらしい。

イメソンはBlack Gryph0n & Baasik さんの『INSANE(A Hazbin Hotel Song) 』(和訳:『地獄へようこそ』)。
まぁ、『白の一族』全体のイメソンといっても過言ではないですが。


『白の一族』(またの名を『狂血の一族』):
実質スラム街な古い地区を取り仕切る、名に『ホワイト』を持つ一族。
構成員が構成員過ぎて地区の人間からは実質ヤ……と言われている。
手を出してはいけない一族。敵でも味方でも恐ろしいヤツら。
8割がパッと見でヤバい奴、あとの2割が大人しめに見えてヤバい奴で構成されている。
ちな一族の全員が全員多かれ少なかれ他人に執着される(タチ)であるとのこと。

という事情があるため、ヒカルイマイさん(以下ヒカルさん)は実質ヤ…の愛娘にベタ惚れされたみたいなもんだという…。
でも満更でもないんだな、それが。
基本ホワイトリリィの言うこと・成すことに従っているヒカルさん(かかあ天下ともいう)だし、ホワイトリリィがベタ惚れしているように見えてヒカルさんもベタ惚れしてらっしゃるので…。
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