さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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元性別軸での一幕。

銀弾、シルバフォーチュン、戦う者の三人で白の一族謹製の礼装(純白)を着て周りから『白ッ!』『まぶしッ!』と思われる回はある。絶対ある。あるよね…?



成人式

ついには僕も成人式です。

 

「来たぞー」

「来たって、なにが?」

「お前の礼装」

「へ!?」

 

…なんて会話をしたのも今となっては懐かしい。

いや、まさか母方から礼装が仕立てられてやってくるなんて思わないよね。

しかも『白の一族』って他称に合わせた純白の着物だし。

純白っていってもめちゃくちゃ凝った刺繍がされてるし。

 

「あ〜似合ってる似合ってる」

「兄さんかっこいい!」

「銀箔まで押してやがんのか…」

 

総額何円なんだろ…という着物を纏いながら成人式当日ということで家族写真を撮る。

もちろん家族写真を撮っているのは朝早くから駆けつけてくれた先生(ガチのカメラ装備)である。

 

「ありがとうございます、先生」

「いやいや。…それにしても」

「はい?」

「よく似合ってるよ、バレット」

「……はぁ」

 

先生に褒められるのは、…ちょっと照れるな。

 

 

「やぁ、シルバー!」

「……っと。やぁ、ミスター。元気そうだね」

 

細心の注意をもってトレセン学園の方へおもむくと顔なじみのミスターシービーと出会った。

どうやら既に引退した同期のメンバーで一緒に挨拶に来ていたらしい。

 

「シルバーはまだ現役続けるの?」

「…うん。できるところまではやろうと思ってる」

「……そっか」

 

そんな話をしていると顔なじみがワラワラ集まってきて「せっかく成人したんだから飲みに行こうぜー」なんて。

 

「僕、明日からもトレーニングあるから、軽めで頼むよ…」

 

この人数の酔っぱらいの世話は、さすがにキツいだろって。

 

 

それからずっと経ったあと。

子どもたちが成人した。

母方の方は僕の子どもたち全員に礼装を作ってくれようとしたが、必死に説得して止めさせた。

だってあの礼装、大人になってから知ったお値段に目が飛び出るかと思ったし…。

あの値段のものをそう何着も持っていられないということで…、

 

「今年はこのふたりね〜」

 

男女一着ずつで着物を誂えてもらった。

で、現役時代の競走成績etc.を省みてその年、その着物を着る子を選ぶことにしたのである。

実質年度代表バ制度みたいなもん。

 

「じゃ、ハイセイコ。ガールは行ってらっしゃい」

 

そういうわけで栄えある第一回はシロガネハイセイコとシロガネガールのふたりだ。

ハイセイコは僕が着付けして…、ガールの方はリリィに着付けしてもらうように頼んであるし。

 

「いや〜似合うね、ハイセイコ」

「そ、そうですか…?」

「…でも男女ふたつとも僕の礼装とほぼ同じデザインにしてもらったからなぁ……、ちょっと古臭いかも?」

「い、いや、そんなことないです!」

「そう…?」

 

それはそれとして、…この着物をお披露目したら目に見えて成人前の子どもたちの目がギラついた気がしたのだけど…気の所為?





僕:
シルバーバレット。成人式の時はまだ現役。
成人の折に、母方からぶっ倒れそうなほど高価な礼装(白の紋付羽織袴)が届いて『ヒェッ』となった。
それはそれとして父親になってからは男女一着ずつを母方に頼んで、自分の礼装に似せたデザインの白の着物を作ってもらった。
それから子どもたちが成人するたびに年度代表バ的なアレで男女ひとりずつ、その着物を着る人を決めているらしい。
なおその着物を持ち出してから子どもたちのやる気が今まで以上にアップしたとか…?


礼装:
全身真っ白な着物。『白の一族』謹製。
遠目から見たら『白ッ!』と思うだけの着物だが近づいて見てみるとめちゃくちゃ凝った刺繍やらが施されていて『うわっ…』となる代物。
ちな僕とシルバフォーチュンの着物は、名前に【シルバー】が入っていることから遊び心として特別に銀の箔押しが施されている。
そしてその箔押しは、後の【シロガネ】のために誂えられた着物の方にも…。
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