さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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白峰厩舎所属の気性難(牧場組を除く)はみんなこうなるんだ。
若馬の脳を焼くな…。



こっち見ろやオメー!!!!

競走馬として引退し、今は父親としての仕事をしている僕だけど実は騎手くんが来た時に予定が合えば若馬たちの調教を手伝っている。

昔は小さな牧場だったココは僕が引退したころにはそれなりに大きい場所になっていた。

軽い調教を施せるくらいには土地広くなってない?気のせい?

 

「…相変わらず僕以外を乗せたくないんだねぇ」

 

現役時代よりもゆっくりした動きで騎手くんを乗せて歩いたりして体をほぐす。

普通ならココのスタッフが乗ってくれるのだけど、こういう時の僕に乗るのは騎手くんだけでいいからさぁ…、うん。

 

「今日の相手の子は見込みがあるよ」

 

ふぅん…。

最近は追い運動の先頭で軽く走るくらいしかしなかったから実力落ちてないといいんだけど。

そんなことを思いながら促されるままに進む。

 

『よろしくね』

 

そう声をかけた今日の相手だという馬は若かった。

元気で何より、と思いつつもここまで舐められるのも久しぶりだなというか…。

この牧場の生まれならこういう感じでくる子いないからな…と感慨深く思っていると、やはりこの牧場の生まれではないみたいだ。

 

「とりあえず併せ馬かな?」

 

騎手くんが指示するままに走る。

走るといっても全力というわけではなく、流しているに近いが。

それでも僕より後にゴールした若い馬を見ながら少し考える。

 

(…コーナーがあんまり上手くない、のかな?

直線に入ったらいい感じだけど)

 

やいのやいのとその子が僕に何やかんや言っているが僕の耳には何も入っていない。

 

「この子はコーナリングがあまりね…。

だからキミの走り方を見せて、教えてあげてほしいんだ」

 

騎手くんがニッコリとそう言ってくるのに『老馬に無茶させるなぁ』と思いつつ了承する。

この言いようなら今からもそれなりに走るのだろう。

騎手くんが長時間乗ってくれるのはなかなかないのだ。

…十分に利用させてもらおう。

 

 

俺には倒したい相手がいる。

それはレースでのライバル、ではなくこの世界の酸いも甘いも理解していない頃に出会ったとある一頭の小さな馬だ。(そりゃもちろんライバルにも勝ちたいぜ?)

 

連れて行かれたあの日、"ヤツ"とは何度も一緒に走った。

だがその隣に並ぶことはなかった。

逆に走り方を指導されていたくらいだ。

その馬は最初から最後まで、一度も俺を見ず…。

 

…ムカつく。

どこの馬の骨かは知らないが今度こそコッチに振り向かせてやる。

いつものように部屋でそう息巻く。

 

「…やっぱりバレットと走らせるとみんな見違えて帰ってくるよねぇ」

「調教を嫌がってたヤツらも真面目にするようになりましたもん。

ホントにシルバーバレットさまさまですよ」

 

古き日の相棒・シルバーバレットと走ってからというものふんすふんすと息巻くようになるかつての癖馬たちのことを思い、調教師・白峰透は楽しげに笑うのだった。





僕:
シルバーバレット(引退後のすがた)。
牧場のボス馬をしつつ、調教師となったかつての相棒が連れてくる若馬の相手()をしている。
一緒にトレーニングしたら、その相手の苦手分野によって『コーナー巧者○』or『直線巧者』をヒントLv.3でくれるタイプのウッマ。
なお見込みがあると、『コーナー加速○』『直線加速』もヒントLv.3で追加してくれる模様。
本馬としては普通にしているのだが相手をした若馬たちは彼に熱い矢印を向けていたり…?


気性難さん's:
白峰厩舎所属のウッマ(数え切れない)。
バリバリの気性難。
だがイキっているところを僕にぶちのめされて…。
その結果、白峰おじさんに乗ってもらえて嬉しいな!状態で自分をまったく見ない僕に『次はこっちを見てもらうからな…!』してしまう。
し、僕のことしか頭にない(薫陶を受けた)ため血筋じゃないのに周りから激重感情を抱かれるようになるウッマが多数になった。
たぶん巧者のヒントと一緒にそっちのヒント()も貰っている。
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