さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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惚れたら一直線なんだ。



【白百合】は惚れ込んだ

『白の一族』に生まれた、その経歴に御多分洩れずホワイトリリィというウマも他人に執着されるタチだった。

美しい母譲りの容姿は道行くだけで周りの目を惹き、その勝気な性格が災いして男どもを惹きつけてやまなかった。

そんな彼女は当然のように言い寄ってくる男たちを軽くあしらってきたのだが、それがまた周りには高慢で生意気な女だと思われたらしい。

いつしか彼女の周りから人はいなくなり、気づけば一人ぼっちになっていた。

別にそれを寂しいと思った事はない。

むしろ煩わしくなくて清々したくらいである。

そんな彼女にも転機が訪れた。

ある日いつものように一人でいた彼女に一人の男が声をかけてきたのだ。

 

「な、なァ、アンタ…」

「あ゛?」

 

その男は平均的な体格ではあるがガッシリとした体つきのそばかすが似合う好青年で。

見てくれはいいが…と有名な自分に声をかけてきて何なのだと思うホワイトリリィに彼はこう続ける。

 

「俺、アンタに惚れた!」

「はァ!?」

 

いきなり何を言うのかこの男は!

そう思ったが彼の告白にホワイトリリィはすぐに返事をすることが出来なかった。

何故なら今まで自分にそんな事を言ってきた男はいなかったからだ。

みんな自分を高慢だとか我が強いだとか、そして見た目の美しさを褒め称えるばかりだったのだから。

 

「えっと、その……」

 

まさか自分のような見た目だけが取り柄の女を好きだと言う人間が目の前に現れるとは思わなかったホワイトリリィは困惑していた。

そんな彼女に追い討ちをかけるように彼は続ける。

 

「俺は本気でアンタが好きなんだ。……こんな気持ち、初めてで」

 

どうしたらいいのか、分からん。

そう言って真っ直ぐに見つめてくる彼の瞳にはいつもの雪のような肌を真っ赤に染めたホワイトリリィ(じぶん)が映っていて。

その瞬間、ホワイトリリィは自覚してしまった。

私は今まさに、まだ名も知らぬ彼に恋をしたのだと。

そして同時に理解する。

きっと彼と付き合えば自分は彼なしでは生きていけなくなるだろう。

だがそれはとても心地よいコトで。

ならばいっそ彼と付き合いたい、そして一生添い遂げたい、と。

なので、

 

「な、なァ…」

「な、なんだ?」

「もう夜遅いし、私ん家に来ないか?」

 

思い切り外堀を埋めにかかっ(父親に紹介し)た。

 

「あ、おかえりリリィ…お゛ん?」

「あ、ども…」

「えっ、ちょ、待ってリリィ?誰ソイツ???」

「えっ、あっ、」

「ん〜?あ゛〜…、父さん」

「あっ、ハイ」

「私、───その男(ソイツ)と結婚するから」

「「……は、?」」

 

「「ッええええええええ!?!?!?」」

 

「うるさっ」





【白百合】:
ホワイトリリィ。
自分に一目惚れしたという牡バに同じく惚れ込み外堀を埋めにかかった牝バ。
夭折した母譲りの美しい容姿を持っているが勝ち気な性格が災いしたのか、また別の要因かは定かでないが物心ついた時にはひとりきりで過ごすことの方が多くなっていた。
まだ名前も知らないが自分に惚れたといってくれた牡バにこれからイケイケドンドンする。

絶 対 に 逃 が さ ん か ら 。 な ?


一目惚れ牡バさん:
どこの今井さんなんだ…?
すげぇイケてる牝バを見つけて気づいたらアタックしていたすがた。
コレ今アプローチしなくちゃ他のヤツに取られる!の心。
がしかし、牝バに家に連れていかれたと思ったら、彼女の父の前でいきなりの「結婚するから」発言にはさすがにビビることに。
思わぬところで出会ったイケてる牝バとこれから仲を深めていく(結婚前提の仲)が、この時はまだお互いに名前を知らなかったり…。


【白百合】の父:
ホワイトバック。
溺愛している娘がはじめて同年代のヤツ(牡バ)を連れ帰ってきたと思ったら「結婚するから」されて茶を噴いた。
でもめちゃくちゃ危機察知能力の高い娘(なお本バは無自覚)が選んだ相手だからそういった面()では安心か…と受け入れる。し、「ウチの家は、ちょっと…アレ()なんだよネ。だから、あのコが好きなら…何がなんでも守るって覚悟、しときなよ?」と言っておく。

……あのコが幸せなら、いっか。
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