さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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Q.好みのタイプは?



本気(マジ)の逃亡劇

その日、シルバーバレットは新聞部からの質問に答えた。

 

(あ〜、コレよく聞かれる質問だなぁ)

 

なんて思いながら。

軽い気持ちで、冗談で。

答えただけだったのに…。

 

 

どうしてこうなった????

学園新聞が校内に貼り出されて以来、シルバーバレットは逃げていた。

逃げる理由はただ一つ。

あの質疑応答のせいで、併走依頼が殺到しているからだ。

シルバーバレットにとって特に関わりの深い者たちからの反響が大きく、中には結託して彼女を拉致しようとする者もいるとか(併走が終わればちゃんと帰してくれる…ハズ)。

だがしかし、当の本バはというと……、

 

───そんなことは知らない。

 

今この瞬間も絶賛逃走中なのだから。

もう何度目かわからない曲がり角を勢いよく曲がった時だった。

シルバーバレットの前に立ち塞がるように一人のウマ娘が現れたのだ。

彼女は両手を広げて通せんぼをするかのように仁王立ちしている。

シルバーバレットの行く手を阻むために。

だが、

 

「ごめんね!」

「あっ、!?」

 

彼女はスライディングした。

もう、それはそれは見事なスライディングであった。

生まれ持った矮躯を活かすための脚力が光り輝く。

そうして出来た活路をシルバーバレットは全力疾走する。

しかし相手も負けじと追いかけてくる。

 

「あぁもうっ!仕事はどうしたのさ──ルドルフ会長!?」

「今は私よりもキミのことだ。キミは何かと面倒事に巻き込まれる体質だからね。悪いが大人しく捕まってくれないか?」

 

シンボリルドルフ。

トレセン学園の生徒会会長であり、生徒からも教師からも尊敬され、信頼されている存在。

そんな彼女が、何故こんなことをしているのかと言えば、……単純にシルバーバレットのことを守りたいためだ。

ほら、かの【皇帝】がそう言っている。

だから、それが何よりも()()()だろう?

 

「…ッ大人しく捕まるも何も!僕は何もしてないってば!!」

「いいや、したさ」

 

いつもは、叱る立場の年長組であるふたりが廊下を全力疾走する。

ズガガガガ!だか、そんな音を出しながら。

普段では、絶対に見られない光景だろう。

いや、見たくもないが。

だって、絶対怖い(確信)。

そして、そのまま階段に差し掛かったとき、シンボリルドルフはシルバーバレットの身体を抱え込むようにして、抱きついた。

突然の出来事にさしものシルバーバレットも困惑する。

 

「えっ?あの、シンボリルドルフ、さん…?」

「…今、」

「ひゃいっ!」

「飛び降りようと、しましたよね?」

「え、あ…」

「し ま し た よ ね ?」

「はいっ!しましたァ!!」

 

という訳で。

 

「脚のことを、ちゃんと 考 え て くださいね?」

「…ヒィン」





A.僕より強い人。
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