Q.好みのタイプは?
その日、シルバーバレットは新聞部からの質問に答えた。
(あ〜、コレよく聞かれる質問だなぁ)
なんて思いながら。
軽い気持ちで、冗談で。
答えただけだったのに…。
*
どうしてこうなった????
学園新聞が校内に貼り出されて以来、シルバーバレットは逃げていた。
逃げる理由はただ一つ。
あの質疑応答のせいで、併走依頼が殺到しているからだ。
シルバーバレットにとって特に関わりの深い者たちからの反響が大きく、中には結託して彼女を拉致しようとする者もいるとか(併走が終わればちゃんと帰してくれる…ハズ)。
だがしかし、当の本バはというと……、
───そんなことは知らない。
今この瞬間も絶賛逃走中なのだから。
もう何度目かわからない曲がり角を勢いよく曲がった時だった。
シルバーバレットの前に立ち塞がるように一人のウマ娘が現れたのだ。
彼女は両手を広げて通せんぼをするかのように仁王立ちしている。
シルバーバレットの行く手を阻むために。
だが、
「ごめんね!」
「あっ、!?」
彼女はスライディングした。
もう、それはそれは見事なスライディングであった。
生まれ持った矮躯を活かすための脚力が光り輝く。
そうして出来た活路をシルバーバレットは全力疾走する。
しかし相手も負けじと追いかけてくる。
「あぁもうっ!仕事はどうしたのさ──ルドルフ会長!?」
「今は私よりもキミのことだ。キミは何かと面倒事に巻き込まれる体質だからね。悪いが大人しく捕まってくれないか?」
シンボリルドルフ。
トレセン学園の生徒会会長であり、生徒からも教師からも尊敬され、信頼されている存在。
そんな彼女が、何故こんなことをしているのかと言えば、……単純にシルバーバレットのことを守りたいためだ。
ほら、かの【皇帝】がそう言っている。
だから、それが何よりも
「…ッ大人しく捕まるも何も!僕は何もしてないってば!!」
「いいや、したさ」
いつもは、叱る立場の年長組であるふたりが廊下を全力疾走する。
ズガガガガ!だか、そんな音を出しながら。
普段では、絶対に見られない光景だろう。
いや、見たくもないが。
だって、絶対怖い(確信)。
そして、そのまま階段に差し掛かったとき、シンボリルドルフはシルバーバレットの身体を抱え込むようにして、抱きついた。
突然の出来事にさしものシルバーバレットも困惑する。
「えっ?あの、シンボリルドルフ、さん…?」
「…今、」
「ひゃいっ!」
「飛び降りようと、しましたよね?」
「え、あ…」
「し ま し た よ ね ?」
「はいっ!しましたァ!!」
という訳で。
「脚のことを、ちゃんと 考 え て くださいね?」
「…ヒィン」
A.僕より強い人。