さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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まぁ、よっぽどの事がない限りこうはなりませんが。



絶不調

寝不足と頭痛が祟り、現在絶不調。

 

「…ックソ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!」

 

 

目に入るものすべてが気に食わない。

全部全部ぶち壊したくなって仕方ない。

そんな感じだからすべてを避けて生活していた。

だがそれも無理になって、

 

「バレット」

「…あ゛ー、せん、せぇ」

 

最悪なことにいちばん見つかりたくない人間に見つかってしまった。

最近ずっとトレーニングサボってたもんな。

ずっと先生のこと避けてたもんなぁ。

そりゃあ探すかぁ。先生優しいもの。

 

「大丈夫かい?」

「あ゛ー…」

 

うなってばかりの僕に心配そうに触れる先生。

本当に、優しい人。

でも、それでも、だからこそ、

 

「バレット…?」

 

傷つけたくて、たまらない。

先生に手を伸ばす。

あと少し、もうちょっとで先生に触れそうになったが、…ごッ!

 

「バレット!?」

 

自分で自分を殴ることで何とか衝動を抑え込んだ。

あまりに強く殴りすぎて鼻血が流れ出す。

それから体がぐらついて地面に倒れて。

意識を失う直前に、焦る先生の声が聞こえた気がした。

 

 

気絶したあと、僕は保健室に収容され治療を受けてトレーナー室へと連行されたわけだが、

 

「先生」

「…なんだい」

「手」

「ん?」

「手ェ、縛ってくれ」

「んんん!?!?!?」

「頼む」

 

何をするか分からないから手を縛ってくれとお願いした。

先生はいきなりのことに困惑していたが僕が何度も頼み込むと渋々僕の手を拘束してくれる。…何度か「もっとキツく!」と言ってしまつたけれど。

 

「それで…、今回はどういう…?」

「…それが、」

 

先生にかくかくしかじか、あれこれと説明する。

寝不足と頭痛のダブルパンチで現在絶不調であること。

それに伴うように目に映るものすべてにムカついて仕方ないこと。

だから誰にも会わないように、傷つけないように逃げ回っていたこと。

そんなことを説明した。

 

「…大変だったんだね」

「迷惑かけてすみません…」

 

母も時おりこうなっていた。

母方の家系はみんなこうだというので仕方のないことなのだろうが。

だがしかし、自らでコントロールできないイラつきに難儀しているのも事実。

 

「なら治るまでゆっくりしようか」

「…はい」

 

いつも通り微笑む先生にこくりと小さく頷く。

やっぱり先生には敵わないや…。

 

 

「やぁ、久しぶりシルバー」

「あぁ、ミスターか。久しぶり」

「最近どこに行ってたのさ。探してたのに」

「…そりゃあ、すまなかった」

「いやいや、別にいいよ〜?今から私に付き合ってくれたらね!」

「…はいはい」

 

抱き着いてくるミスターシービーを仕方ないとでもいう風に受け止めるシルバーバレット。

それは代わり映えのない、とある一日の一幕で。

 

「よかった、治って…」

 

そう胸を撫で下ろすトレーナーがひとりいたとか、いなかったとか…。





僕:
シルバーバレット(絶不調のすがた)。
普段は大人しく穏やかだが一度こうなってしまうと【白の一族】の気性が丸出しになり目付きと雰囲気がヤバくなる。怖い。

【白の一族】ver.バーサーカー:
絶不調のすがた。
普段からいろいろとヤバいがこうなった時の方がもっとヤバい。
端的に言えば、この状態になると『相手を好んでいれば好んでいるほど傷つけたくなってしまう』。ので、そういう時期は拘束具を用いたり人の輪に加わらないようにする者が大多数だとか。
まぁそれでもこの状態の彼らを怒らせるのがいちばん…、ネ?
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