さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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幻覚はさっさと出しておくに限るゥ…(吐血)


◆クラスメイトAと

シルバーバレットは基本的に食事をひとりで行う。

だからその日も、食堂の隅の隅の席でひとり座って黙々とモグモグしていた。

すると、

 

「やぁ、同席いいかい?」

「…はぁ、」

 

どこか見覚えのあるウマに話しかけられた。

はて、どこで見たのだったか…と思案していると「おいおい、一度走った仲だろう?それにクラスメイトなんだが?」と軽く嘆息されて。

 

「あぁ、」

 

そう言われて、シルバーバレットはやっと思い出した。

同じクラスの、席順が結構前に位置している…。

たしか同じくクラスメイトのミスターシービーと親しくしていたっけ、と。

思い出しては、食事を口に運ぶ。

 

「…それにしても」

「?」

「そんなので、午後のトレーニング大丈夫?」

 

 

その日から、シルバーバレットは食堂の隅の隅で先程述べたクラスメイトと食事をするようになった。

【三冠バキラー】とか【翔】と呼ばれるウマと。

 

「相も変わらず少食だね」

「…昔からだよ。今から治そうとしても無理なものは無理だ。僕は吐くぞ、すごく吐く、ものすごい勢いで吐く」

「ははは」

 

他人と関わるのが少しばかり苦手なシルバーバレット。

だが彼女と一緒に食事をとり、話すのは案外気楽なようで。

年頃らしく表情をゆるめては図星をつかれて口を尖らせるなどしており。

 

「……」

 

その様子を、いつものように食堂の角の隅で眺める者たちがいた。

言うまでもなくミスターシービーとシンボリルドルフである。

 

「ん~、アタシたちにはあんな顔しないクセに、ねぇ」

「…そうだな」

 

ふたりが見つめる先にいるシルバーバレットはそれはそれは楽しそうな顔をしていて。

それを横目に見ては口元だけで笑うミスターシービーと静かに目を閉じるシンボリルドルフ。

どうやらシルバーバレットには自分たちに向けるものと違う姿があるらしい、と。

 

「「……」」

 

 

「やぁ、ひとりなら一緒に走らないかい?」

 

己の誘いを、仕方ないなぁとでもいう風に受け取る級友にそのウマはニコリと笑った。

"シルバーバレット"。

芦毛の、華奢で小柄なウマ。

だがその脚が繰り出す速さは…。

 

「…どうしたの?」

「あぁ、いや。何でもないさ」

 

毎日王冠で(あの日)見た背を、今でも覚えている。

どれほど追っても、軽々と引きちぎられてはこちらを振り向きもせずに。

あっという間に視界から消えていった、姿を覚えている。

だからこそ。

 

「見て欲しいんだよ、ねぇ」

「……あれ?併走しないの?」

「する、するよ!」

 

軽く走り去っていくウマを追い、駆ける。

【翔】のごとく、駆けていく…。

 

「ほーら、はやくおいでよ。ねぇ、───」





クラスメイトさん:
【三冠バキラー】とか【翔】などと呼ばれているウマ。
僕と仲良くなりたいのでひとりで食事中のところを狙い共に食事をする仲になった。
CBや【皇帝】よりはマシだが僕にちょっとした感情を抱いている。

僕:
シルバーバレット。基本受動的。
相手の顔は見たことがあるが名前を知らないということが結構あるらしい。
なおコイツの懐に入るにはガンガン行こうぜ!するのが一番の攻略法だったりする。押し切れ〜!
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