さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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銀弾が【白の一族】って知ったらいちばん掛かり気味になるのコイツじゃね?という気持ちから書いたものです。



*信頼と、その裏

「ねぇ、バレット」

「うん?」

「この着物は?」

「え?…あぁ、そう言えばマス太って成人式ん時は実家の方に行ってたんだっけ?」

「うん」

 

引退後のある日、荷物を運び込んでいる途中に触った荷物の感触にシルバマスタピースは思わず問うた。

何故なら触れたものが少し触っただけで分かるくらいとても高価な着物であったから。

 

「それな、母方の方にもらったんだ」

「あれ?バレットって普通の家庭出身じゃ…」

「ん〜、いや。なんかなぁ、母方が結構歴史の長い家らしくて」

「ふぅん」

 

テキパキと荷物を片していく幼なじみを見ながらシルバマスタピースは手に持つ、適切な仕舞われ方が成された着物をなぞり、

 

(…ん、!?)

 

そして、気づいた。

 

「【白の一族】って、言うんだけど」

 

着物に、丁寧に縫い付けられた家紋の刺繍に。

 

 

【白の一族】。

その名前は、ある程度の歴史と資産を持つ家なら誰もが知っている。

そこに()()だけで、すべてを狂わせる者共の集まり。

その一族は、ある者は暗い噂のあった家を潰し、またある者は一時代を築いた者を破滅させ。

そして、そのすべてが他人を狂わせる"ナニカ"を持った者たちだった。

しかし、それは遠い過去の話だ。

今となってはその力も衰え、ただ歴史の中に消えていくだけの存在になっていた、はずなのだが……。

 

「あ」

 

だが、シルバマスタピースは思い出す。

あの日、シルバーバレットと()()()な出会いを果たしたあの日、

 

『…だれ?』

 

微かに、だが。

たしかにその目が、白い光をぼんやりと灯したことを。

月明かりよりも淡く、蝋燭よりも強い、そんな光が宿っていたことを。

それを。

そのことを。

思い起こして───。

シルバマスタピースは、思ったのだ。

もし、本当に、もしもの話ではあるが。

シルバーバレットが。

自分の親友であるシルバーバレットという存在が。

かの有名な、【白の一族(彼ら)】と同じモノを持っているとしたら。

だとしたら、それは。

自分にとって、とても()()()()()なのではないか? と。

シルバーバレット(しんゆう)の信頼篤い自分なら、もしかすると…。

 

「…マス太?」

 

瞬間。

シルバマスタピースは意識を現在に戻す。

物思いに耽っていた自分を見ながら心配する親友に安心させるように笑顔を向け。

 

「…うん。大丈夫ならいいんだけど。それにしても申し訳ないなぁ、───こんなに良いマンション、貸してもらえるなんて」

 

自分が貸し切って、与えた高級マンションの一室で居心地悪そうにする親友にシルバマスタピースは今日も何も言わず微笑むのだ。

 

 

鍵を持つものは、自分たちふたりだけ。

でも。

いきなり体調が悪くなっても、大丈夫なようにしているから、安心して?

…だから、

 

(ずっとここにいてね、──バレット)





マス太:
シルバマスタピース。
御曹司系のいいお家の生まれ。
そんな生まれなので【白の一族】が何なのかについても理解している。
が、僕がそうだと知る前から僕に執着しているので、今回の一族バレに関しては燃料を注がれただけである。

だがそれはそれとして、自身の貯金で買った高級マンション(貸切)を幼なじみである僕に与えており、「好きに使っていいよ」している。
でも、最終的にどうなるかは…?

僕:
シルバーバレット。
今日も今日とて何も知らない。
自身の母方の悪名()に詳しくないので聞かれたら自分の生まれをサラッと言ってしまう系ウッマ。警戒心が足りない。

最近、幼なじみであるマス太に仕事用の部屋としてマンションの一室を貸してもらった。好きに使っていいんだって!
…警戒心が足りない(再放送)。危機感も、足りない。
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