さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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完全に趣味。

まるでトゥルーマン・ショウみたく。
演じていれば、()()()()()

有名税と言えば、それで終わりなんでしょうが。
本人からすればこう思っちゃうのも、有り得るかなぁ…と。


カーテンコールは、まだ来ない

真っ暗な部屋の中で見つけたネット記事は、昔にあった『御伽噺』を記したものらしい。

スイスイと指を動かすも、どうせ見たいものだけを見たい中毒者とソレで稼ぎたいヤツが望んで生み出したモノなんだって理解する。

 

それで。

【その名前】を名乗ったのはもう何人目だっけ?

【その名前】ゆえに褒められているのを、貶されているのを、何人も見てきて。

【その名前】を名乗らない者はいない。

……そりゃあそうか。

【その名前】を名乗れば、【その名前】が()()()()だと言えるのだから。

 

どれほど引きこもりたくても、引きずり上げられて。

幕の奥に引っ込むことさえ許してくれない。

往々と、永遠と。

誰が【その名前】の記した話を求めている。

いつまでその舞台の上に立っていればいいんだ。

──そうやって嘆くことさえも許されないなんて、神様ってやつは酷なことをする。

そんなことを思っていても、結局自分はこの舞台から降りることはないんだろうけれど。

 

与えられた【役柄】のままに舞台(ソコ)にいる。

これで主役歴は何年?

演じ続ける毎にたくさんのイメージを押し付けられては肉付けされて。

"誰か"が望む【存在】をただ演じる。

ただそれだけの存在になっていたとしても、きっと誰も気づかない。

自分だってそうだと思っていたから。

でも、違ったんだ。

──違うんだよ。

自分の中のナニカが、確かに変わり始めていた。

そしてそれは、今になって、遅ればせながら気づいたコトだったのだけれども。

 

 

イメージ通りに演じては、誰もが望む【役柄】であって。

もう疲れたと漏らそうにも脚は止まらず踊るばかりで。

どれだけ声を上げたところで、誰一人として見てくれることもなく。

このまま消えてしまいたいと願っても、消えることは赦されなくて。

川を流れる水のように、老いることを強いられる。

 

罪だか罰だかの採算があるのか、すら分からない。

【役柄】の功績で帳消しだなんて真っ平だというのに。

思い返せば。

自分に、【役柄】でなかった時はあったのか。

それももう、自分に向けられる監視カメラ()のせいで、息を着く暇もない。

舞台の上に立つ限り、観客は自分を見ている。

自分がどんな表情を浮かべているのか、自分には見えない。

スポットライトがベカベカと、バカみたいに当たっては思考を焼いていく。

それを、観客たちは拍手喝采で笑うのだ。

自分の、…()の一挙手一投足を。

笑うのだ。

 

「ははは、」

 

嗚呼、なんて。

なんて、なんて、なんて!

敬虔な、()()ですこと!






【銀の弾丸】

CAST
シルバーバレット


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