さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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カーテンコールは、まだ来ない。

【呪縛】をなぞる。
『戯曲』ならぬ『偽曲』として。
主演はひとり。
なら、その行き着く果ては?

もしくは、残していく側の話。



ダブルキャストは、欠けている

ある意味、敷かれたレールの上を走っている…みたいなモノだろう。

まるで『監獄』のような場所で過ごしながらそう考える。

 

夢を持って、ここに来たわけじゃない。

ただ【呪縛】があって、それ故に自分の意思や自由が介在できなくなっただけ。

生きてもいないが、死んでもいないという、惰性の日々を過ごす。

気づくと周りが、目を焼かれそうなほどキラキラしていた。

 

そんな、無為な俺の手を取ったのは同じような境遇のトレーナーであった。

期待されながら思うような結果を出せない似た者同士。

【呪縛】の影に這われながら不平不満を投げ込まれる。

自分たちは【呪縛(ソレ)】ではないと叫ぼうにも、パーソナリティがあまりにも似通っているからその声は届かない。

そもそも『主役』になんてなれるガラでもないくせに、と自嘲する心の声も気付かぬ内に飲み込んで。

 

がしかし。

どこへも行けない、どうせ無理などと言いながらも【呪縛】が辿った道のりに、魅せられているのも事実。

おあつらえ向きに、『そちらのチームは海外遠征に慣れているから(建前)』を用意されては断る理由もない。

ふらつく立場で、"誰か"が望む大言壮語を吐きながら、自身を守るために「フツーでいい」と嘯く始末。

 

誰も俺たちを見てなんかいない。

人々が見ているのは俺たちにかかる【呪縛】だけ。

純粋に、俺たちを応援する人なんていないだろう。

……でも、それでいいんだ。

かかる【呪縛(モノ)】が大きければ大きいほど、逃げ場はなくなる。

後には退けず、先に進むしかなくなる。

 

最初から、ムダだと分かっていた。

俺の体は【呪縛】を背負えるほど、丈夫で、頑強ではないと。

だが、ムダではない。

俺自身はムダだったが、俺の後に続くヤツら(同類)に道を()()()

こんな俺でも、【呪縛】の中のちょっとした悲嘆ぐらいなら拭いされるって。

次の『夢』を見せられるって。

 

俺たちは、『弱者』だった。

【総大将】にも、【不死鳥】にも、【怪鳥】にも、【トリックスター】にも、【世代のキング】にも、何者にも、なれなかったけれど。

あの【呪縛】を中途半端になぞった「茶番」だったと言われればそれまでだけど。

それでも。

それでも、さぁ…!

 

「どうか、諦めないで」

 

俺は去る。

夢叶えられず、道半ば。

『舞台』から、去る。

カーテンコールなんて、大層なものはもらえないまま。

だって、そうだろう?

 

「気張れよ、──相棒」

 

今の俺じゃあ、何もできなかったワケだから。

だから。

せめてもの、『餞別』として残していこう。

 

「俺の、代わりに」





◀ To Be Continued.

自身のおじとはまた別ベクトルでの脳焼きだね、
甥っ子くん…。
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