さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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たぶんコレ絶対ふたりして二人だけの世界を作って周り置き去りにして曇らせてるゾ。
でも、それでも【銀の祈り】が【夢への旅路】を可愛がるからハイライトオフする【英雄】はいますよ、います。


祈りと英雄のあれこれ

「あれ?███じゃない」

 

その日、休憩していたシルバープレアーは少し前に引退した友人兼ライバル…と話していた。

いや、ライバルと思っているのはシルバープレアーだけであろう。

【英雄】とまで謳われたウマが目の前の存在なのだ。

そんなウマの二番手にずっといて、負け続けたウマ(自分)などその他大勢の内のひとり程度が精々、などと。

今までの生で培われたネガティヴ思考に囚われているシルバープレアーは、目の前にいるウマが自分のことなど眼中にない存在だと考えている。

だから今日もシルバープレアーはひとり、心の中で独り言を零すのだ。

 

──ああ、やっぱり僕なんかじゃあ勝てっこないや…。

 

と、共に。

ふたりの道が隔絶したことによって思ったことがある。

それは──このウマ(【英雄】)が自分に負けないでくれてよかった、と。

同時に、シルバープレアーは思う。

いつか必ず勝ちたい、と。

だが、今はそのときではないと。

そしていつかは必ず勝つと。

そう誓いを立てたところで ──僕は、このウマを越えることは出来ないだろうなぁ。

なんていつも通りの帰結、その堂々巡りを思いながら、シルバープレアーは立ち上がるのだった。

 

 

かの【英雄】にとって、シルバープレアーという存在はどんな宝物よりも代え難いモノであった。

【英雄】とまで謳われた自分に本気で挑んできてくれた相手。

己の強さに折れたり、仕方ないと諦める者が往々の中で自分を対等と扱ってくれたウマ…。

そんな相手に好感を抱くなというのが無理な話だ。

それ故に、シルバープレアーに対して抱く想いは他のウマとは比べるべくもない。

例えシルバープレアーがどう思おうとも、【英雄】はシルバープレアーのことを大切な友だと認識しているし、これからも大切にしていきたいと思ってもいる。

そして、それはシルバープレアーも同じである。

──シルバープレアーもまた、【英雄】と同じように……否、それ以上に【英雄】のことを想っているのだから。

だからこそ、【英雄】は考える。

自分の引退と共に終わってしまった、シルバープレアーとの勝負を。

 

 

「…なァ、アレ」

「あぁ、こんにちは。今日も元気そうだね【夢への旅路】」

「おう」

 

いま話しかけてきた【夢への旅路】はシルバープレアーが最近目をかけて始めた可愛い後輩である。

多少気の荒いところはあるがそういうところもシルバープレアーにとっては可愛いのである。

それも父親同士の仲がいいから実質幼なじみのような関係でもあるし。

閑話休題。

 

「…あ、見てた?」

「見てたっつーんなら、見てた」

「そっか」

 

【夢の旅路】は先程の、シルバープレアーと【英雄】が話あっているのを見ていた。

別に悪いことをしていたわけではないのだが、なんとなくバツが悪い気持ちになった。

シルバープレアーもそれを察したのか話題を変えることにしたようだ。

そういえば、と話を振ってきた。

それがなんだか嬉しくて、思わず尻尾が揺れてしまう。

がしかし、

 

(【英雄】(あのヒト)…)

 

『…』

 

(スッゲェ眼で、俺のコト見てたなァ…)

 

その眼を思い出し、「おお怖」と震えながらも。

 

(ま、コイツは)

「【夢への旅路】?」

(俺にしか、頼んねェんだけどな!)

 





【英雄】と感情向けあうプレアーの話

【銀の祈り】:
シルバープレアー。
何だかんだ【英雄】に対する感情は重め。
でも培われたネガティヴで「自分がライバルなんて烏滸がましい…」と考えてしまう年頃ウッマ。
でも【英雄】以外にはサラサラ負ける気がない辺りイイ性格をしている。

【英雄】:
可愛らしい顔立ちして【銀の祈り】に対する感情が重め。
無自覚に【銀の祈り】が自分以外の誰かを見ていると圧をかけてくる。し、後々『永遠の二番手』しては自分以外の誰かに差され続ける【銀の祈り】にニッコリ()する。こわい。

【夢への旅路】:
【銀の祈り】のマブ。
父親たちから仲がいいのである意味幼なじみ的な関係。
父親同士の関係と同じく、【銀の祈り】が自分だけに弱いところを見せるのに優越感を感じているフシがある。親も親なら子も子。
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