【銀の祈り】は『領域』出すまでに時間がかかりそう(小並感)。
シルバープレアーが『永遠の二番手』などという不名誉なあだ名で呼ばれ始めたのは同期であったウマたちのほぼすべてが引退し、世代交代となったころだった。
"どれほど走ろうが、絶対に二番手は譲らない"。
そう、いつしか評されるようになったシルバープレアーが舐められ始めるのに時間はそこまでかかることはなく…。
だが、
『2着はシルバープレアー!未だ連対は途切れぬまま!!』
どれほど挑もうとも頑なに動かない存在。
もはやその一挙手一投足で
そして、ついに諦めたのが…いや、見限ったのが──というのが増えていき。
(…つまらない)
ふと、シルバープレアーは思ってしまった。
勝ち続ける、とはまた違う孤独。
二番手に甘んじているワケではない、が
……やがてシルバープレアーはレースに出るには出るが『熱意』というものを微かな、今にも吹き消されそうな火へと変えてしまい。
惰性のごとく日常を過ごしていた折、
──見つけた。
自分よりもずっと幼いウマのレース姿。
何故だかその姿を見た瞬間、消えそうだった火にふいごをかけられたかのように。
あの日の【
「…あの子は、【
火が点ったシルバープレアーにそう告げたのは同期であり同い年の叔父バレットシンボリ。
相変わらず色の悪い顔で静かにシルバープレアーに言い募るのだ。
曰く、あの子は確かに素質はあるだろうが、まだまだ発展途上で荒削りもいいところだと。
それに何より、と目の前のウマは言う。
「あの子は、キミの望むモノじゃあない」
「…………」
「キミはもっと速くて強い【
でもそれは、あの子じゃない」
静かに、シルバープレアーを見定めるバレットシンボリ。
その目にシルバープレアーは口の端を歪に吊り上げた笑顔で応対する。
「…ッ、」
「そんなの、ぜんぶ」
わかってるよ。
自分を追い抜いてばかりだった背を、覚えている。
どれほど頑張っても軽々と抜き去っていく背を。
ただただ憧れていた。
追いかけ続けた。
追い抜きたいと、願っていた。
──それが、どうしたことだろうか。
いつの間にか自分が前を走る側になってしまって。
気づいてみれば、かつて憧れた背中はとうに見失ってしまっていた。
だから、再び見つけ出したこのチャンスに……。
「でも大丈夫」
ひく、と怯えたように後退りしているウマの肩をポン、とシルバープレアーは安心させるように叩く。
そして、
「僕を抜いていいのは、……【
【銀の祈り】:
シルバープレアー。
まるで蜘蛛の如しとでもいうかのような緩急をつけた逃げを得意とする。
血縁の"とあるウマ"とはまた別ベクトルで残酷。
『永遠の二番手』としてよく侮られるがそのたびに周りの心を折っていく。
また、年を経るごとに積み重なっていく連対記録ゆえに主役を喰うことも…。
で、停滞していた折にあるウマを見つける。
が、【英雄】の代わりなんて…。
それはそれとして。
固有スキルは『我が偉大なる【英雄】よ、来たれ』。
「レース後半に先頭にいると後方から来るウマの気配を感じて加速力を上げ、後方のウマを萎縮させる。また出走バの作戦に差しと追込みが多いほどすごく萎縮させ、効果が増える」というもの。
演出的には、糸という糸が張り巡らされた暗い場所でナニカの山に座った【銀の祈り】がこちらに気づき、ゆるりと嗤う…みたいな。
こりゃブッチギリの"魔性"だし匂わせがすぎる…。
───いくらキミが空を飛ぼうが
あるウマ:
のちの【金色の暴君】。
結構初期の方から【銀の祈り】に目をつけられていたがそれを本バが知ることは…?