さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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ハッピーバースデイ、シンボリルドルフ!
…慌てて書いた代物です。


皇帝への贈り物

「誕生日おめでとう、ルドルフ」

 

そう言ってプレゼントを渡すと凄い顔をされた。

何だってんだ、いちおう僕も友人の誕生日くらいは覚えてるんだぞ?

 

「ぁ、いえ…すみません。まさか先輩に祝っていただけるとは思わなくてですね…」

「意外と失礼な奴だなキミは……。まあ確かにキミとはあまり絡む機会もなかったしね。でもほら、一応僕らは先輩後輩の仲だしさ」

 

それに、僕の数少ない友だちだからね。

ちゃんとお祝いしてあげたいし。

 

「ありがとうございます。開けてみてもいいですか?」

「うん、いいよ」

 

ガサガサと包みを丁寧に剥がす音が聞こえる。

……なんだかこうして見ると少し恥ずかしいな。

 

「これは……!」

 

中から出てきたのはシンプルなネクタイピン。

悩みに悩んで吟味して選んだ一品だ。

最終的には市販品で満足出来なくてオーダーメイドかけたんだし。

 

「気に入ってくれたかな?」

「はい!とても…大切にしますね」

「そっか、なら良かったよ」

 

喜んでもらえて本当によかった。

ああでもないこうでもないとデザインを見ながら頭を抱えたかいがあったね。

 

「それで、その……ケーキも作ってみたんだけど……」

「えっ」

「あっ、嫌とか手作りが無理とかならいいんだ。ミスターとかと食べて消費するから…」

「食べます」

「えっ」

「食 べ ま す」

「アッハイ」

 

作ったのはありふれたシフォンケーキだ。

それも可もなく不可もなく、なシンプルなやつ。

ひとり分で切り分けて持ってきたものだったけど「この切り口からしてホールありますよね?もらいます」と言われてしまえば仕方ない。

あとついでに紅茶も淹れた。

僕は牛乳派だけど今日だけは譲ろうじゃないか。

 

「ふぅ……美味しかったです。ご馳走様でした」

「それはどういたしまして」

 

結局全部食べられてしまった。

流石にちょっと多かったんじゃないだろうか。

体重管理とか、大丈夫だろうか。

いちおう低カロリーにはしてあるけれど。

…いや、ルドルフだし大丈夫かな?

 

「ところで先輩、ひとつお願いがあるんですが」

「んー?」

 

なんだろう。

何か頼み事でもあるのかな?

まぁ僕にできることなら何かしてあげたいよね、本日の主役のお願いだし。

 

「私にも先輩の誕生日を教えてください」

「……はい?」

 

思わず素が出てしまうほど驚いた。

まさかさっきのお返しが来るとは思ってなかったし。

というか教えてくれって言われても……。

 

「別に構わないけどさ。え?教えてなかったっけ?」

「まったく」

「マジかぁ…」

 

うっかりしていたかもしれない。

そういや教えてなかったっけ?

そういえばミスターからも聞かれたような気がしないでもない。

あの時は確か……。

 

『シルバーに誕生日ってあるの?』

『あるよ!?フツーにあるよ!?』

 

みたいな会話をした記憶しかない。

あれ、これ完全にみんな知ってると思って流してたな?

 

「というわけなので、また今度一緒にお出かけしましょう」

「ああうん、全然OKだよ。ただあんまり高いものはお返しとしてもプレゼントとしても、もらえないからね?」

「わかっていますとも」

 

こうしてまた約束が増えていく。

なんだちょっとむず痒いなぁ…。





【皇帝】:
シンボリルドルフ。
まさかの相手に祝われてホクホク。
プレゼントもケーキも僕が自分のために作ってくれたものだから誰にも譲りたくなかった。
ケーキに舌鼓打ちながら「料理上手いんですね、先輩…」って思ってそう。
…まぁた胃袋掴んでら(呆れ顔)。
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