さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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キレイな顔して、待っている。



ロードムービーは終わらない

『次はキミだ』

 

あぁ、きっと。

また誰もが画面の中のアンタの言葉に惑わされている。

気持ち悪いくらいに『憧れ』で輝く目を、なんと言い表せばいいのだろう。

それに、周りのヤツらみたいに素直に『憧れ』に殉ずることのできない自分も、どう表せばいいのか。

 

ないものねだりの嫉妬ばかりでつまらない。

俺が俺にしか持ち得ないものを持っているのと同じように、お前もお前でしか持ち得ない武器があるってのに。

それなのに、どうしてこうなっちまうんだろーな。

年月が経るごとにいつしか『憧れ』は歪んで、送るラブコールも散々なものになってしまいました。あーあ。

 

逃れたくてたまらないのに、逃がしてもらえなくて。

死に物狂いで挑んで来いって、焚き付けられる。

悲しいくらいに自身の存在のすべてを賭けろと言われた先には、それに見合うだけの何かがあるのか。

まぁとりあえずは。

 

昔から間違ってばっかりだった。

正解なんて、片手の指を折るぐらいしかなく。

それを何度繰り返しても懲りずに間違え続けて、結局はいつも同じところに辿り着いて。

もういっそ、その間違いだらけの物語に終止符を打ちたいと思うのだけれど、そんなことさえ許してくれないらしいから、仕方がない。

だからせめて。

この先にある結末を()()()行きたい。

 

いずれは辿り着くはずの場所。

そこにいる存在を、嫌いになりたいのに、一ミクロンばかりの単位で思考やココロに巣食われて。

噛み合わないウソをつく。

『あのウマみたいになりたいデス』って!

『あのウマに恥じない存在になりマス』って!!

そうやって何度も周りの求める言葉を告げた。

マ、それも周りにはしゃあなしで言わされた言葉なんだって、バレてたみたいなんだけども。

 

本当は分かっていたはずなんだ。

自分が誰なのか。

自分は何をすべきか。

でも、どうしても認めたくないものがあった。

自分の中で燻っているものをどうにかしたくて、必死に、しゃかりきに。

ぼんやりとした、影を追う。

何度も見続けたビデオテープが擦り切れを起こした時みたいな、そんなぼやけた影を。

擦られ続けて、掠れきって、それでもなお酷使され続ける影を。

 

追って追って追って。

ぐるぐると回る脚がオーバーヒートを起こしそうになるまで。

ちっぽけな肺が、破れそうと錯覚するまで。

そうしたら、きっと。

 

影に近づく。

影が軋んで、たわんで、何とか形を作る。

今までずっと執念だけで補強されていた影の、その最期かのような。

そんな姿を目に焼き付けて。

 

───ずっと誰かを待っていた"あなた"の顔を…。

 





そうして。
上演され続け、擦り切れたテープは。
パチン、と音を立てて、切れたのでした。

───けれど。
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